どうして「困難女性支援法案」が必要なのか? 東京新聞記者・望月衣塑子が解説
3月10日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)に、東京新聞記者・望月衣塑子さんが出演。貧困や虐待、性暴力などで居場所を失った女性を支える「困難女性支援法案」について語った。
困難を抱える女性の法的な支援として、1956年に作られた「売春防止法」があった。
当時は「売春を行うおそれのある女子へ、補導処分及び保護更正の措置を講ずる」ためのものだったが、支援ニーズは多様化している。
また従来のままでは、女性が犯罪に加担するイメージも強い。「支援の対象であることをハッキリ位置づけよう」という意図でも、改正が進められている。
望月「これまで売春法の中には、『補導処分』とか『保護更生』という文言もありましたが、今回売春防止法の中からも廃止されるんですね」
これまでも党派を越え、女性を中心に「DV防止法」「ストーカー規制法」などが成立してきた。
望月「婦人保護事業と呼ばれるものなんですけど、『婦人』と言われると、いわゆる成人の女性を対象にした言い方だったり。『保護更生』『収容』といった言い方も、そもそも見直すべきなんじゃないかという議論が始まりました」
近年はニュースでも頻繁に、10代女性の問題も取り上げられている。
望月「10代の貧困とか、AVの出演強要問題とか、パパ活とかJKビジネスの問題とか。こういうものの対応は、過去の法律じゃ網羅しきれないということなんです」
この法案は、特に女性議員が中心になって進めているが――
大竹まこと「女性の議員の割合って少ないですよね。男性議員の応援がないと。今回はかなりメインの方に、この法案がきそうなんですか?」
望月「各メディアの扱いもまだまだ弱いという感じはするんです。この前東京新聞は、女性記者たちが頑張って一面に取り上げていたので、私も『ここまで来たんだな』とは思ったんですけど。注目されればされるほど、予算もつくようになりますし、関心も高まるから政治としても向き合わざるを得ないということになります」
こういった現状に、大竹さんは――
大竹「外から見た勝手な意見だけど、あんまり年寄りたちが動きそうもないなって感じが……若い人はね、男の人も時代のことを分かってるけど。年寄りたちは頭が昔の方に、保守的に固まっちゃってる感じもちょっとする」
望月さんも、ベテラン勢の理解差が激しいことに難色を示す。
一方で、今回の法案について男女両方の議員に話を聞くと、男性議員もかなり関わり後押しをしているという。今後の流れに注目しよう。
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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