吉田たかよし医師がアドバイス〜花粉症とオミクロン株の感染の見分け方

吉田たかよし医師がアドバイス〜花粉症とオミクロン株の感染の見分け方

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花粉症とオミクロン株の症状は似ている。関東地方の今年の花粉の飛散量は概ね去年と同程度。一方、オミクロン株は感染者数が高止まりで、デルタ株以前と比べてより花粉症との見分けがつきにくくなった。肺炎にはなりにくく重症化しにくくなったのはいいが、上気道の感染が中心なので逆に周りにウイルスをまき散らし感染力が高まった。鼻水や鼻づまり、くしゃみが出るだけで他にこれといった症状が出ないというケースも、デルタ株以前よりオミクロン株の方が出ている。咳はどうかというと花粉症でも咳は出る。花粉症の場合、鼻の中で起こったアレルギー反応が神経を介し、気管、気管支に伝わって起こるものだ。だが、花粉症とオミクロン株は全く区別できないかと言えばそうではない。吉田たかよし医師が解説した。

大きく何が違うか?

吉田たかよし医師が指摘するのが、まず目のかゆみだ。
オミクロン株で目がかゆくなるケースはまずない。

花粉症で目がかゆくなるのはアレルギー反応でヒスタミンが炎症を起こすから。鼻のかゆみは決定的な差とはいえないが花粉症の方が多い。ヒスタミンによる花粉症の粘膜の炎症でかゆくなる。一方、オミクロン株でも炎症は起こるがウイルス感染による炎症でかゆみが出にくい性質がある。続いての違いは発熱だ。微熱は花粉症でもオミクロン株でも出るが、37.5度以降の発熱は花粉症で考えられない。なぜ発熱に格差があるのか。花粉症はあくまでも花粉の抗原によって目や鼻の粘膜で炎症を起こすだけ。体の表面の一部だけの炎症だから微熱しか出ない。
コロナウイルスは粘膜から感染して粘膜で炎症を起こすが、その後、体の内部に入り込むから体内で幅広く炎症が起こる。よって体内で37.5度以上の発熱が起こるというわけだ。

その他、花粉症とオミクロン株を見分ける方法

吉田たかよし医師は、筋肉痛だと言う。それが花粉症で出ることはまずないが、オミクロン株の感染では見られる。

疲労感についても花粉症でも見られるものの、ものすごく重度の疲労感についてはオミクロン株の方が圧倒的に多い。今、オミクロン株に感染して回復して以降、ものすごい疲労感がずっと続くという後遺症が長期間に渡って出る方が増えているが、慢性疲労症候群あるいは筋痛性脳脊髄炎という病気に限りなく近い。オミクロン株感染の後遺症はこの病気そのものだと指摘する専門家もいるほど。重い疲労感については特に注意してほしい。

花粉症とオミクロン株の違いで、もう1つ決定的なことは、当たり前だが、花粉が飛んだ時だけ花粉症の症状が出るということだ。
雨が降ると花粉が飛びにくいため花粉症の症状が出にくいし、晴れた日も1日の中の時間帯によって花粉症に変化はある。花粉は早朝に山間部の杉から飛んできて、都心部や郊外には午前中から昼頃に飛んでくる。午後いったん落ち着いて、また夕方に気温が低下したら上空の花粉が落ちてきて、また花粉症が激しくなるのだ。1日に2回ピークがあるのでこれに合わせて症状が変化すると花粉症の可能性が高まる。

以上を頭に入れた上で、最も大事なことは自分1人で決め付けはしないで欲しいということだが、見分け方を知っておくのは大きな意味があると吉田たかよし医師は言う。見分け方のポイントを知っているだけで自分の症状を十分認識できるから。そうすると医療機関を受診した時、医者に正しく伝えられるため、診断の精度が上がり、誤診を防ぐことにも役立つ。そして何か症状が出た場合、いきなり病院には行かず、まず電話をかけて相談して欲しい。

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