国民民主党、予算案に賛成した背景に何があったのか? 伊藤惇夫が解説
2月24日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、国民民主党が新年度当初予算案に賛成したことの背景について、政治アナリストの伊藤惇夫氏が解説した。
伊藤「国民民主党の予算案の賛成の背景に何があったのか。実は2019年の初め頃、まだ国民民主党の大半が立憲民主党に合流する前に、幹部の方が”うちの幹部連中は自民党に合流したくてしょうがないんですよ”と愚痴をこぼしていた。その後、大部分が立憲民主党に合流し、玉木雄一郎氏などの一部が残ったという形であるわけです。言いかた変えると、今の国民民主党の人たちの大半はかなり早い段階から自民党の接近を目指していた人。今回の動きは突然でなく、以前からの流れの中で今に至ったと考えたほうが良いのじゃないのかなと私は思っています」
これに加え、伊藤氏は、もう1つの背景を挙げる。
伊藤「ちなみに玉木氏の地元は香川県。彼を支えてきたのは大平正芳氏の系統の人。大平正芳氏は岸田総理の師匠にあたる人でもある。そういう背景が何らかの影響を及ぼしているのかな? という気がします」
今回、国民民主党が自民党に接近したことで、伊藤氏が気になっているのが連合(日本労働組合総連合会)の存在だという。
伊藤「玉木氏は、今回の件について連合の芳野友子会長に事前に了解を取ったとおっしゃっています。もし、本当に容認するという姿勢が明確になった場合は、連合の股裂き傾向が強まるんじゃないかという気がしてるんですね。だって仮に民間系の労働組合の皆さんが国民民主党について行こうという状況になったとしても、官公労系の労働組合の人たちは立憲民主党の支持は変えないんですよ。他に行き場がないから」
最後に伊藤氏はこう締めくくる。
伊藤「私が見てるのは、国民民主党がどうなるのか? というよりは、これから連合はどうなるのか? どんどん自民党と距離を詰めてる流れもありますし、内部で言うと官公労系と民間系の溝がより一層広がっている気がする。連合という組織が、股裂きどころか分裂状態に入っていってしまうかもしれない。私はその辺に興味があるので、どうなるのか? 見守っていきたい」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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