「偽レビュー」米アマゾンが業者起訴 どこまで決定権?バランスの重要性
アメリカのアマゾン・ドット・コム(Amazon)は、金銭や無料商品と引き換えに消費者に商品販売に有利なフェイクレビュー投稿を促す仲介業者2社に対する訴えを起こしたと発表した。2月24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では木曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏と、寺島尚正アナウンサーがこの話題を取り上げて意見を交わした。
嶋津氏「株式市場でも偽の情報は禁止」
これは偽レビュー根絶に向けた決意を示す動きと言える。アマゾンが今回訴えた仲介業者2社はAppSally(アップサリー)とRebatest(リベーテスト)で、アマゾンは偽レビューの仲介サイトの活動停止などを求めている。
AppSallyではおよそ2300円で偽レビューを販売し、偽レビューの投稿者へ空箱を発送するよう出品者に指示を出すという悪質な場合もあったようだ。
寺島アナが「こういうニュースがあるんですね」と述べると、嶋津氏が続けてマーケットメカニズムのバランスに言及した。
「マーケットメカニズム、株式市場でもそうなのですが、偽の情報で株価を釣り上げることは禁止されていますよね。そういうことがあると正しい価格の決定ができないので不正を調査するのは必要な動きだと思いますが、一方でやりすぎるとアマゾンに決定権がある形になってしまうので、『自分にとって都合の良いことは許すけど都合の悪いことは許さない』みたいなことになるので、そこのバランスはゆくゆくは気になるところですね」(嶋津氏)
「ラジオをお聴きの方の中にもレビューを参考に購入される方も多いでしょうからね」(寺島アナ)
「私もそうなんですが、例えば全部のレビューが5段階評価の5だとアレ? って(疑います)。マーケットメカニズムの良いところでもあるんですけど、(こういうことがあると)皆が警戒するわけですよね。アマゾンが過度に介入するとアマゾンに都合の良いところだけ残るリスクがある一方で、放置すると正しい価格設定ができず、皆が嘘に気づきます。そこのバランスをうまくとっていかないと正しい価格決定が行われないと思います」(嶋津氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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