「介護が苦しいって言わないと誰も気付かないんです」元おニャン子・新田恵利さんが母の介護と向き合った6年半とは
デビュー36年の新田恵利さんは去年お母さまを亡くし、6年半に及んだ介護経験を著作「悔いなし介護」にまとめました。2月21日の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、本でも提唱されている“言いふらし介護”について、どんなものか伺いました。
野村邦丸アナ「介護ではよく悔いが残ったという話をよく聞きますが、新田恵利さんの本のタイトルは「悔いなし介護」なんですね。」
新田「介護にかかわらず親御さんが亡くなった時は、たくさんの悔いが残りますし、後悔という言葉がつきまといます。私はデビューの年に父が急に他界したんですが、思春期だったため父との会話も少なく、後悔がいっぱい残ったんです。その時から母には親孝行して後悔が残らないようにしようと決めていました。母は突然寝たきりになり、状況が大きく変わったんですが、それでも悔いのないように介護をした6年半をぎゅっと本に詰め込みました。」
邦丸「介護の始まりは、お母様の入院がきっかけなんですね。」
新田「骨粗鬆症による圧迫骨折で入院したら退院時には立てなくなって介護することになりました。突然、介護することになったので、やらなきゃいけないことが山ほどありました。書類を何十枚も書かなきゃいけないし、介護認定も受けないといけないし、病院も選ばなきゃいけないし、あれもこれもしないといけない。もう母の思いとかそんなものは考えてられませんでしたね。」
邦丸「大変でしたが、ある人に連絡してずいぶん救われたんですって?」
新田「病院も移動に使ったタクシーも市役所の方もビジネスライクな対応だったんですけども、地域包括支援センターのスタッフの方にお電話をして「母が立てなくなりましたどうしましょう」と言ったら、「大丈夫ですよ、安心してください」と初めて心に寄り添った言葉を始めてかけていただいて、それまでパニックだった頭と固まった心がふわっと溶けたんです。」
邦丸「新田さんが提唱されている“言いふらし介護”とはどんなものなんですか?」
新田「介護は明るいニュースではないので、友達の間でも話さないし、普段の会話でもなかなか出ません。でも一人で悩みを抱えてしまうと耐えきれなくなってしまいます。そこで明るく「うわー大変、介護になっちゃった」と言いふらせば周りからも助けてもらえるんです。お家の中のことなので、とにかく言いふらさないことには誰も気付いてもらえません。私もブログで公表したら、実は幼馴染のお友達も「実は何年も前から介護してるんだよー」って介護仲間だと分かったんです。「どうして言ってくれなかったの」って聞いたら「楽しいお話でもないし、たまに会って楽しいお話ししたいから」なんて言っていました。それから介護仲間になって「介護あるある」で大笑いしました。」
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