今こそ求められる生産性と働き方とは #2 『浜松町Innovation Culture Cafe』
2011年3月11日。忘れられない、忘れてはいけないあの日から10年が経ちました。三陸沖を震源とする震度7の巨大地震とそれによる未曾有の大津波。多くの命が奪われ、大切なものを失い、その癒えぬ傷を胸に歩んで来たこの10年。今なお避難生活を続けるなど元の生活を取り戻せていない人も多くいる中で、もう二度とこの悲しみを味わわずに済むよう災害対策にも重きが置かれています。
その中でも災害に強い情報通信ネットワークの構築は急ピッチで進められています。震災当時、情報通信インフラに甚大な被害が発生し、固定電話、携帯電話、防災無線までもが使用不可となった地域もありました。いつでも繋がれる時代に、繋がれなくなる不安。まして一番必要な時に必要な情報が得られないもどかしさ。当たり前を奪われてしまい、未知の恐怖が人々の心をすり減らしました。
地震大国として知られる日本では、東日本大震災以降の2016年4月14日に起きた熊本地震も強く記憶に残っているかと思います。また今後起こる可能性が極めて高いとされている、首都直下型地震や南海トラフ地震への恐怖もあります。地震の他、台風や大雪、火山の噴火など、近年自然災害での被害は多くあります。また今まさに私たちを苦しめている新型コロナウイルスのように、今後も未知のウイルスとの遭遇は避けられないのかもしれません。私たちの安定した生活は一瞬にして奪われてしまうということを嫌というほど体感している今、どうやって大切な人との繋がりを確保するか、どうやって自分の生活を守るか、どうやって自分の生活を豊かなものにするのか。自分の価値観を明確にし、それに基づき日々行動することが大切だと実感しています。
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」の3月8日(月)放送分では、ロート製薬取締役の髙倉千春さんと、チームスピリット代表取締役社長の荻島浩司さんにご参加いただき「コロナでの変化」から「今、これから必要な働き方と組織とは」について熱いトークが繰り広げられました。
コロナでの変化
髙倉 個人で判断して自分で主体的に働くという世界が一気に来ましたね。30年前は皆が集まっていることこそが良いとされる時代でしたが、テレワークが主体となった今、チームの概念とか一緒に働くということの意味が変わって来ています。
荻島 働き方を可視化するというニーズが大きくなりました。経営者は会社に誰もいないと不安になるので、どういう仕事を何時間行ったというものを見えるようにする必要があります。
我々が考えるチームスピリットとは、場所とか従来の繋がりとは異なり、会社ってなんだろう?チームってなんだろう?というところからミッションやビジョンを作り、これが私たちの会社だと思うところにあります。ここに共感できずに個々で働いていると、自分がどこの会社で働いているのかわからなくなってしまいます。
今、これから必要な働き方と組織とは
荻島 コロナでリモートワークに一気に取り組まなければならなくなり、職住接近が実現したのではないでしょうか。また、全ての仕事をフルオンラインでやらなければならなくなり、まさにニューノーマル、常識が反対になったという感じです。そしてチームを感じるのにITがとても大事になります。オンライン上での組織がチームになっていく世界を作っていきたいと考えています。
髙倉 物理的にいる場所や空間が組織ではなくなりました。そして、終身雇用とは真逆の発想で、その人がその時にやりたいジョブを発揮できる会社で働くという短期的な契約に変わっていくのではないでしょうか。その際、組織の経営理念と個人の働く価値観が一緒であることがとても大事になります。
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この記事の番組情報
浜松町Innovation Culture Cafe
月 19:00~19:30
浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…