「必ずしもEV=クリーンではない」モータージャーナリスト・岡崎五朗が警鐘 1月21日「くにまるジャパン極」

「必ずしもEV=クリーンではない」モータージャーナリスト・岡崎五朗が警鐘 1月21日「くにまるジャパン極」

Share

世界中で脱炭素化の流れが進む中、二酸化炭素(CO2)の削減に期待が寄せられるのが電気自動車、EVだ。しかし、「EVにすれば必ずしもクリーンになるとは限らない!」とモータージャーナリストの岡崎五朗は警鐘を鳴らす。一体、どういうことなのか?1月21日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、詳しく説明した。

岡崎「EVにみんなが乗れば、カーボンニュートラルになるんだよという、そう簡単な議論ではないんですね。EVは、エンジンを積んでいないので走ってる時は排気ガスが出ないんですよ。ただし、動力源である電気を充電して使うんですけど、その電気を発電する時に石炭とか石油とかをバンバン焚いて、それを車に充電して走ったら、結局、マフラーから排気ガスが出ない代わりに発電所の煙突からCO2が出てるということになります。とにかくEVにすれば全部良いんですよということは、ちょっとミスリードなんですね」

野村邦丸アナ「岡崎さんの記事に、EV推進で喜んでいるのは、ヨーロッパと中国とあります。これはどういうことですか?」

岡崎「ヨーロッパは一時、ディーゼル車を推していました。しかし、2015年にドイツのフォルクスワーゲンがディーゼル車のエンジンはクリーンですよと言って売っていたのに、実は全然クリーンじゃなかったというスキャンダルが出た。それで、ドイツの国民は怒って、ディーゼル車が売れなくなってしまった。しかし、ハイブリッド車の技術は日本に敵わない。そこで、ハイブリッド車も悪者にして、EVなら勝ち目があるとあるだろうとEVに力を入れているんですね」

邦丸「一方、中国はどうなんですか?」

岡崎「中国もエンジンの技術はまだまだ遅れています。ただ中国は国策として自動車産業を育成していて、国内だけじゃなく海外に売っていきたいと思っています。一方で、鄧小平の時代から将来的にはEVになるだろうと、EVのバッテリーに使うリチウム、コバルト、モーターに使うレアアースと呼ばれる原材料を確保している。つまり、ヨーロッパがEVを作るにも中国から輸入しないと生産ができない。EVをいっぱい作ると中国が儲かるんです」

邦丸「こうした中、岡崎さんが期待を寄せるのがハイブリッド車だそうですね」

岡崎「ハイブリッド車はエンジンを積んでるので、CO2はゼロではないのですが、今までのガソリン車が100だとしたら50に出来る、そういう技術なんです。これを使えば大幅にCO2を減らせる。実際、過去20年で各国がCO2をどれくらい減らしたのか?というデータがあるんですけど、日本はマイナス23%。一方で、ドイツやアメリカは全然減ってなくて、むしろ増えてる。これは、日本はハイブリッド車を選ぶ人が多いからなんです」

そして、岡崎氏は日本の政府や自動車メーカーにこう訴える。

岡崎「外国から”EVにしろ”と言われて”そうですね”となびくんじゃなくて、世界に向けて”我々のやり方でこんなに結果を出してます。ですから、ハイブリッド車にもっと乗ってください、素晴らしい技術を持ってます”とメーカーはもちろん政府も言った方が良いと思うんですよね」

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

NOW ON AIR
ページTOPへ