どうして日本の半導体産業は衰退した?二木啓孝解説 1月12日「くにまるジャパン極」
TV、スマホ、パソコン、自動車など我々の身近なあらゆる電子機器に使われる半導体。産業の米とも呼ばれ、経済安全保障の重要物資に位置付けられている。しかし、日本の半導体は、1990年にはトップを走っていたにも関わらず、今や外国に頼らざるを得ない状況となっている。なぜ、日本の半導体産業は衰退してしまったのか?1月12日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)でジャーナリストの二木啓孝氏が解説した。
二木「かつて半導体は日本の技術立国の象徴でした。今も技術立国だと思っている人がいるかもしれませんがとんでもない間違いですからね。1990年の半導体メーカーの売上高ランキングを見るとベスト10に6つの日本企業が入っていました。しかし、2020年では、10位までに日本企業はありません。ちなみに、1位はインテル(アメリカ)、2位はサムスン(韓国)、3位はTSMC(台湾)」
日本の半導体メーカーの衰退に大きな影響を与えたのが”バブル崩壊”だという。
二木「(1991年からの)バブル崩壊。ここで何が問題だったかというと、半導体の技術開発費を減らしていったんです。と同時に、技術を持った人たちに対して早期退職を勧奨した。退職した人たちは、サムスンやTSMCに行ったわけです。そうして日本の技術流出が起きた」
野村邦丸アナ「そして、インテル、サムスン、TSMCはどんどん技術力を付けていって、気が付いたら日本は近付けない状況になってしまった。今回、台湾の半導体大手のTSMCを熊本に誘致します。日本政府がお金を出します。これについてはいかがですか?」
二木「さあ、これで日本の半導体の復活かというと、そうではない。今回、生産するのは汎用性のある半導体、技術的に高いものじゃないんです。もう日本は技術立国だという幻想は捨てたほうがいい。では日本は今後、どうやって生き延びるのか?何を売り物にしていくのか?というのが私はすごく不安です」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。二木啓孝氏は毎週水曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。