小倉孝保氏「米中協調の糸口は、気候変動と核拡散防止」~12月24日「くにまるジャパン極」
12月24日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)に毎日新聞論説委員の小倉孝保氏が出演し、中国を中心とした国際情勢について解説。そして中国、アメリカの協調の糸口として“気候変動の問題”と“核拡散防止の問題”を挙げた。
小倉「今年は初めから最後まで、アメリカと中国、ロシアとヨーロッパ、アメリカとロシアの緊張がずっと続いた一年だったなという印象がものすごく強いですね」
野村邦丸アナ「ますます対立の先鋭化が進んでる感じがしますね」
小倉「今、ちょうど歴史の転換点にいる気がします。中国はずっと、世界の中心だった国だったのですが、19世紀から20世紀にかけて非常に弱い時代があった。その間にヨーロッパの力がぐっと大きくなって、20世紀の初めからはアメリカが突然大きな国になった。それで、今、中国はかつての世界の中心だった時代に戻ろうとしている。そこに、アメリカが覇権争いをしている」
邦丸「中国の歴史からすると、たまたま弱い時代があったということなんですね」
小倉「これが、今の香港の問題の根本のような気がします。日本も含めて、民主主義から見れば、香港の問題は民主主義がいかに壊されていくのかという見方をするわけです。しかし、中国側からすれば植民地主義で中国がやられたものを元に戻すという意味合いがあるわけです。だから、中国は一歩も引かない」
新疆ウイグル自治区の問題についても触れる。
小倉「新疆ウイグル自治区はある意味、異教徒の集まりだからそれは当然攻撃する。中国なりの言い分があるわけです。この問題も中国は一歩も引かないと思います」
邦丸「台湾も新疆ウイグル自治区の問題も譲らない。そうすると今のような対立が進んでしまう。これどうしたらいいんですか?」
小倉「実は、この時代だからこその協調の糸口というのがあるんです。それが気候変動の問題。これは、アメリカもロシアも中国も同じだけ大切なわけです。実際にイギリスで開かれた会議では、アメリカと中国が一緒になってイニシアティブをとって、こうゆうことをやりましょうと発表したりしています」
そして、もう1点、協調の糸口として、核拡散防止の問題を挙げる。
小倉「来年1月に核拡散防止条約の再検討会議が始まりますけど、アメリカ、中国は同じスタンスで対応できるわけです。同じ核保有国ですから、核を拡散させるのは彼らにとっては利益じゃないわけです。共通の姿勢を示せる問題で話し合いを続けながら、意見が対立する問題についてはどうやったらうまくやっていけるかというのを見ていく」
邦丸「100あって、100全部対立するのでなくて、ここはやっていけるねという所を強調してアピールする。中国側にとっても、アメリカ側にとっても、世界的に見てもメリットある話ですね」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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