吉田たかよし医師があなたにそっと教える 脳科学とメンタル医学を応用した効率の良い勉強法~勉強は集中力だ!
今回のSAKIDORIクリニックは、大人でも日々の仕事に役立ちそうなテーマだ。
受験生はこれから迎える最終段階に向けて頑張っているが、受験勉強も仕事も集中力と効率が大事。今回は吉田たかよし医師から必ず参考になる1つの勉強方法を紹介したい。
ポモドーロメソッドとは?
これは、イタリア人のビジネスパーソンが「こんな風にやったらすごく集中して仕事が出来たよ」ということで始めた方法。後に、脳科学にも理にかなった方法ということが証明された。これから追い込みをかける受験生の勉強にも、仕事の効率アップにも取り入れていただきたい。
ポモドーロとはイタリア語でトマトの意味。時間をトマトのように1個、2個、3個と分け、「まとまり」で仕事や勉強をしたら集中力が上がるという理論。
提唱者のイタリア人は25分間集中して仕事し5分間休む。これを1ポモドーロと考えた。これを4回繰り返した場合は、2時間。つまり4ポモドーロ分の時間をまとめて休む。その後、また1ポモドーロ、2ポモドーロ、3ポモドーロ、4ポモドーロと2時間頑張ということを提唱した。
脳科学の世界では、人間がものすごく集中できる時間はだいたい20分間だという。「いや自分は2時間、3時間出来る」と言う人は本当の意味で集中できていない。勉強は集中力が命だ。なぜなら受験は制限時間の中でどれだけ多く問題を解けるかが重要だからだ。そういった点で極限まで集中を高めるというポモドーロメソッドは非常に意味があるということが理解できる。もう1つの実験結果としてオンとオフの切り替えを定期的にやることで、脳がオンの時はしっかり集中するとオフも集中して休んでくれることも明らかになっている。
休むのも集中力が必要?
吉田たかよし医師はこう説明する。
100%脳がリラックスしないと十分な休息が得られない。どこかで心配や不安になり、勉強や仕事の集中力の低下につながる。定期的に勉強し、定期的に休むというリズムを刻むことが大事。25分集中し仕事や勉強して5分休むという1ポモドーロという単位で繰り返すことが集中力を高める上で効果的。
吉田たかよし医師は、ぜひ、皆さんにもお勧めしたいという。
では、どうしても25分間より少し多く集中して勉強したいという人はどうすれば良いのだろうか? その場合は、30分間でも40分間でも良いのだが、50分間が上限。その場合、5分間ではなく10分間休む。ポモドーロの長さは人によって合う、合わないがある。ただし、自分は50分間やると決めたら、ずっと「50分勉強して10分休む」というパターンを刻んだ方がいい。それは変えると脳が集中のリズムを刻んでくれないから。
自分なりにポモドーロの単位が決まったら、次は目標を決める!
目標は達成までの期間が短いほどヤル気を引き出す効果が高いとわかった。
だから目の前のポモドーロの目標を決めるのが最善だ。例えば、数学の過去問を3問解くなど短い目標を決める。この目標を達成することで「自己効力感」が高まり、より意欲が増すというわけだ。
この自己効力感とは、例えばこれから25分間勉強すると決めて、「自分はやろうと思ったことができるんだ」と確信することだ。これはやる気のきっかけを与え、それを達成する原動力となる大事な能力。逆に言えば、これが低下すると無気力症候群になる恐れも生まれてくる。
一方、今日1日の目標を立てるのは良くないのだと言う! 目標の範囲が長いほど意欲が湧きにくく、自己効力感も高まらない。仮に今日の目標を立てたとしても、皆「とりあえずスマホを見る」など別の行動に流されがち。
このことで、後から出来るだろうという「誤った自己効力感」になる。それが目標の先送りにつながってしまい、結局できずに終わり、それが「喪失感」となる。さらには、そのことが夜ふかしにつながり、睡眠不足や睡眠負債の危険性も生まれる。目標は、先の目標になればなるほど散漫になるものだ。
吉田たかよし医師のまとめ
「この日1日の目標」を立てることは禁止! その代わり、目の前の目標に集中する。目標を達成したら自分を褒め、コツコツとポモドーロを積み重ねて行こう。
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