えのきどいちろうが今季引退のサッカー元日本代表田中達也の試合で見た胸を打つ光景~12月10日「くにまるジャパン極」

えのきどいちろうが今季引退のサッカー元日本代表田中達也の試合で見た胸を打つ光景~12月10日「くにまるジャパン極」

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今季限りでの引退を表明したサッカー元日本代表でアルビレックス新潟の田中達也選手が、12月5日のJ2最終節FC町田ゼルビア戦にスタメン出場した。12月10日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、この試合をスタジアムまで見に行ったコラムニストのえのきどいちろう​氏が「俺はサッカーの試合を色々見てきたけど人生で初めてあんなシーンを見た」とコメントした。一体、どんなシーンを目にしたのか?

えのきど氏は、田中達也選手がどのような選手なのか?説明する。

えのきど「田中選手はスーパースターです。浦和レッズでワンダーボーイと言われ、2000年代にレッズでスターダムにのし上がった。小柄だけどドリブルを仕掛けたり、スピードを持っていてすごくかっこいい。献身的に走り続けるタイプの選手。アンダー代表も経験し、日本代表まで駆け上がった。しかし、浦和レッズ時代にケガをしてしまう。それから、手術やリハビリをして当時のライジングスターだった輝きは失われていく。出場機会も失われていく」

そして、田中達也選手は2013年からはアルビレックス新潟でプレーする。新潟での田中選手についてえのきど氏は…

えのきど「田中選手が新潟に来ることになって、地元は色めき立った。彼は前半の45分をとにかく走り切る。その姿は本当に胸を打つ。故障から復帰した大ベテランの田中達也さんがあそこまでやるならやりきらないとと、若手選手に与える影響もすごかった。本当にプロ意識が高く、彼がクラブに残したものは大きいと新潟の選手はみんな言ってる」

そんな田中達也選手が12月5日のFC町田ゼルビア戦でスタメン出場した時の様子をえのきど氏は語る。

えのきど「試合には、浦和レッズのサポーターも駆け付けた。新潟のサポーターも涙目になっていた。田中選手は前半32分まですごい走ってるんです。もうさ、壊れてもいいというくらいの走り方。32分に審判が交代ボードを持って14番(田中達也選手)から37番(三戸舜介選手)という交代の指示が出る。俺はここで人生初のシーンを目にするんです」

一体、どんなシーンを見たのか?

えのきど「ゴールキーパーを含めた両軍の選手がピッチサイドに走っていく。それから、審判、両軍のチームスタッフまで。そして2列で花道を作ったの。田中選手はみんなが2列になって出迎えてくれる真ん中をうつむきながらゆっくり噛みしめるように下がっていく。僕ら会場にいた人はスタンディングオベーション。自分のチームの選手がベテランを引退で見送ることは見たことある。でも相手チームも審判も含めて、試合を停止して見送るシーンは初めて見た。その時の感激、美しさというのはなかったです」

そしてこの時、えのきど氏はもう1つ感じたことがあったという。

えのきど「チームの中から去っていく人をどれくらい厚く遇するかということはこれから未来ある選手にもものすごく大事なこと。俺がサッカーを大事にすれば、サッカーは俺を大事にしてくれる。その体験ってすごく大事だと思うんです。会場にいた若い人たちは、自分が大切にするもの、お金で買えないもの、それをリスペクトするとその競技のステータス、選手のステータス、クラブのステータスも上げるし、サッカーファミリーみんなを大切にすることになるんだということ」

野村邦丸アナ「両チームのサポーターとかサッカーファンは本当に生涯で最高のものを見たんですね」

えのきど「あれは美しかったんだよね、っていう思い出は一生ものなんですよ。あのシーンを見た人たちだけがずっと抱えていく」

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。えのきどいちろう氏は第2金曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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