吉崎達彦氏「知らなかった!日本の貿易輸出入は今絶好調!?」~12月7日「くにまるジャパン極」
日本貿易会が2022年度のわが国の貿易収支は輸出86兆円・輸入88兆円の見込みと、共に過去最高となっているというデータを発表した。日本人の大部分にはまったくピンと来ないデータだと思われるが、エコノミストの吉崎達彦氏は12月7日の「くにまるジャパン極」(文化放送)でこの事実について詳しく解説した。
野村邦丸アナ「まず、日本貿易会というのはどういう組織ですか?」
吉崎「貿易商社の業界団体です。毎年12月の第1週に貿易動向調査っていうのを発表するんですが、今年で何と48回目。1974年からやってるんです。各社準繰りで、輪番制で座長をやるんですけど、私も2005年と2011年の2回座長をやっていて、久しぶりに今年のデータを見たら、びっくりするぐらい中身がいい。その割に全然ニュースにならないので、声を大にして伝えなきゃいけないんじゃないかと思ったんです」
邦丸「コロナ禍の打撃によって世界経済が停滞しているという中で、今は2021年度ですね、来年の春になると2022年度になるわけですが」
吉崎「2020年度、去年のことを考えてみると大体3月からひどくなったじゃないですか。まさに20年度っていうのは、前の年の19年度が普通だったから、20年度はもろにコロナで影響を受けて貿易が前年比でガクッと大体10%ぐらい落ちたんです。それで21年度はまだ4ヵ月残っていますけど、この勢いで行くと19年度を越えちゃうんです」
邦丸「えっ!?コロナ前っていうことですか?」
吉崎「そうそう。10ポイント上がった後、大体20ポイント上がるんです。だからいかに21年度の輸出入の伸びが大きいかっていう話です。22年度は最高額の見込みで、これは歴史的な高水準です」
邦丸「何でそんなに好調なの?という話ですが」
吉崎「よく言われる通り日本の四番打者は自動車ですが、自動車もやっぱりいいんですよ。
20年度の輸出の実績と言うと9.5兆円ぐらいですが、これが22年度になると12兆円ぐらいになるんです。いかに海外の需要が強いかってことです。もちろんそれだけじゃなくて、日本製品に競争力が無かったら当然売れないわけなんで、まだ何だかんだ言っても日本の製品は競争力を維持しているんだな~っていうのを感じます」
邦丸「自動車の次に来るのは?」
吉崎「半導体と電子部品です。また、最近の日本のヒット商品と言うと、ここにはデータは無いんですが『半導体製造装置』ですね。半導体産業全体は競争力を無くしてきているんですが、脇の商品で競争力を持っているところは大変業績いいです。また、変な話でいうと食料品輸出。もともとほとんど無かったんだけど『増やしたい!』ということで農水省が頑張ってたところ、20年度が8000億円ぐらいだったのが、何とか1兆円ギリギリ届くかどうかにまでなっています」
邦丸「日本から海外へ輸出される食料品と言うと?」
吉崎「やっぱり水産物が3分の1を占めてて、三陸の高級食材なんかが強いんですが、今年の場合中国が海外の水産物の検査を強化していて、中国は『コロナは武漢じゃないんだ、輸入品で起きたんだ』と言い張ってて、それで売れなくなったんだけど、今足元どんどん緩くなってるんで、来年は相当行くだろうと予測されていますね」
と、日本貿易会が発表したデータを元に様々な景気の良い話を披露した吉崎氏。この好景気を我々の生活で実感する日が来ることを祈りたい。
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます
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