村上信五くんと経済クン「バナナと経済」をお勉強!
毎週土曜朝9時~放送している「村上信五くんと経済クン」。
11月27日(土)の講義は、バナナと経済。
今やバナナは食べるだけではありません。
バナナのある部分が今、繊維の素材となってTシャツやタオルが作られているそうです。
バナナで作られた製品の着心地や肌触りは一体どんな感じなのでしょうか?
美味しいだけじゃない、地球にもやさしい、バナナと経済のお話をお勉強しました。
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講師は、三井物産アイ・ファッション株式会社商品開発室の笠井克己(かさい・かつみ)さんです。食べるバナナがどのように繊維・糸となったのか?村上さんにはクイズ形式で考えて頂きました!
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【問➀日本人の一世帯あたりのバナナの年間支出額は5000円より上・下どちらでしょうか?】
→正解:下
日本人の一世帯あたりのバナナの年間支出額は4387円。
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【問➁バナナの繊維となる部分は、バナナのどこからつくられるでしょうか?】
→正解:茎
バナナは1回収穫すると同じ茎からバナナの実はとれない。バナナの茎の下を50センチほど残し、その上は捨ててしまう。その廃棄されている部分から繊維を取り出す。廃棄する部分が燃やされたり埋められたりすることで、二酸化炭素の排出や土壌汚染という問題があるが、そこを利用することで環境問題の解決につながる。
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【問➂ゴミとなるバナナの茎や葉は、バナナの生産量のおよそ何倍でしょうか?】
→正解:およそ6倍
食用バナナの世界中で食べられている量は、年間だいたい1.5億トンといわれている。それに対して捨てられる茎はおよそ10億トン。
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【問➃バナナの繊維は短いため単独では糸にできず綿を混ぜている。糸の中に入っているバナナの繊維はおよそ何%でしょう?】
→正解:30%
あまり多く入れると、糸の強度が弱くなってしまうため。
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【問➄バナナが日本にきたのは江戸時代である。〇か×か?】
→正解:×
戦国時代の1569年、イエズス会の宣教師が織田信長にバナナを献上したのが始まりとされている。ポルトガル人が15世紀にバナナを発見し、大西洋を経てアメリカ大陸へ伝わり、世界で広く栽培されるようになった。
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【バナナから作った糸=バナナクロスを開発しようとしたきっかけは?】
約3年前から開発を始めた。廃棄量の多さに驚くと共に、それを有効活用できればかなりのポテンシャルがあると感じてバナナに注目した。使っているのはフィリピンのバナナ。色々な種類を試したが、フィリピンのバナナが一番繊維が取り出しやすかったため。
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【バナナクロスの製作工程は?】
フィリピンで原料をとってきて、乾燥させる。茎の中はタケノコのような形状になっているため、それを1枚1枚はがして乾燥させ、日本で綿と混ぜて糸にしている。まだ流通量が少ないため、値段は割高。今のところ綿の2~3倍する。今後普及したらどんどん値段が下げられるようになる。
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【バナナクロスの次なる展開は?】
今後はもう少し細いものなど、糸のバリエーションを増やしていきたい。そうすれば作れる商品の幅が増える。また、よりバナナの繊維を世の中に広めていく活動を行っていきたい。バナナクロスは、新しいエネルギーを使わずに作れるアップサイクルといわれる非常に環境にやさしい繊維。バナナクロスを通して、環境について考えるきっかけになれば。10年後には、天然繊維として、広く身近な商品として流通していてほしい。
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バナナから作られたタオルや服を触らせて頂きましたが、とてもしっかりしていて、肌触りがよかったです…!SDGsが叫ばれる中、これからどんどん注目を集めそうだなと思いました。ちなみに、村上さんはクイズ5問中3問正解で、メンバー5人全員分のバナナをゲットされました。(最後の問題は3本プレゼントだったため)
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この記事の番組情報
村上信五くんと経済クン
土 9:00~10:00
「経済初心者」の村上信五が、ゲストの方に教えを請いながら 「お金」に強くなってゆく番組です。 「お金持ち」しか持っていない情報を イチ早く皆さんに提供できるよ…