朝のラジオ体操は健康に良い?悪い?吉田たかよしがベストの方法を教えます!～ニュースワイドSAKIDORI

では、まず先日の復習から

朝の運動は健康にいいと思っている人が多いが、中高年にとって健康上のデメリットも多い。
デメリットその①
朝はモーニングサージと言って血圧が上がりやすい。結果として心筋梗塞、脳梗塞を発症しやすい。朝、激しい運動をするとその引き金を引くことになりかねない。

デメリットその②
朝、運動すると活性酸素が生じやすい。中高年になるとそれを除去する能力が低下しているので細胞の老化を加速させる。老化予防のための運動が逆に老化を加速させているという皮肉な結果になっている。

デメリットその③
朝は筋肉や関節が固まり、激しい負荷をかけると関節に炎症が起き、関節の老化も加速してしまう。だから、激しい運動については午後あるいは仕事終わりにした方がいい。

ではラジオ体操のような軽い運動は？

吉田たかよし
「医者の間でも賛否両論がある。メリットは全身をほぐし身体や脳を活動状態に切り替え、肥満予防にもなるしストレス対策にもなる。
デメリットは激しい運動よりははるかに小さいが、ラジオ体操くらいでも先述のデメリットはゼロというわけではない。このメリットとデメリットのどちらが大きいかによって見解が分かれる。しかしこれを科学的に突き止めるのはかなり難しい。
斉藤一美アナのように朝ラジオ体操をしている人とやっていない人で健康状態を比較したら？と思うかもしれないが、この研究では医学的な結論は出せない。それはなぜかと言うと、元々、健康意識が高くて食事などにも健康に気を遣っている人が朝ラジオ体操をしている場合が多いので、その影響がデー
タに混入してしまう。

では科学的に突き止めるには？

200人以上の人をランダムに2つのグループに分け、片方はラジオ体操をひたすらやる。もう片方はラジオ体操を全くせず、1年後に2つを比較しないといけない。だが、無理やりラジオ体操をさせられている人は途中で挫折する。
吉田たかよし医師も、世界の研究結果等を調べたが、このような論文（軽い運動を朝に長期間行う影響を正確に評価した研究）は確認できなかったとのこと。
しかし、運動の工夫次第で健康上のデメリットを、限りなくゼロにすることはできるという。ではラジオ体操を例にとって解説してもらおう。

吉田たかよし
「まず屋外より屋内！これから冬にかけて寒いと一層血圧が上がってしまうので。ただし、朝は目に光が入った方が、ストレス緩和にも役立つセロトニンが分泌されるので、温かい屋内で窓から外を見ながらラジオ体操を行うのがもっとも良い。
続いて、ラジオ体操が関節に負担がかかるというデメリットを少なくするためには、動かす時に勢いをつけずに関節をぐっと伸ばすようにする。
イメージはダンスのようにキビキビ動くのではなく、ストレッチのような意識でやること。

「そして何より時間の選択が大事！　かつての斉藤一美キャスターのように起床すぐにラジオ体操をするのは最悪。起床してから時間が経てば経つほどデメリットは小さくなる。通勤後の職場に着いてからが理想。今、職場でラジオ体操をやっているところは少ないが、昔は多かった。これは実は理にかなっていたのではないか。この高度成長期の習慣が復活して欲しい」

「朝の運動のデメリットはあくまでも40歳以上の中高年の話。若い人や特に子どもが朝から運動するのは全く問題ない。というよりもメリットが多い。学習に必要な脳の機能を促す効果が見つかっており、簡単に言えば成績が上がる。
子どもは、軽い運動はもちろん、ランニングを朝にやった方がいい。
アメリカ・イリノイ州にあるネイパービルという地域で1限目の授業を受ける前に運動をさせるゼロ時間運動を設けたら、地区全体の成績が全体に一気に上がり世界最高レベルになった。ネイパービルの奇跡と呼ぶ。子どもや若い人は朝から運動を！」

このように付け加えた吉田たかよし医師。そして最後の次の言葉を繰り返した。

「中高年は職場に着いてからのラジオ体操がお勧めです」

斉藤一美キャスターは、さすがにそれは恥ずかしいと抵抗したが、吉田たかよし医師からは「文化放送の職場全体でやった方が良い」との強いアドバイス。
四谷に社屋があった時代には、朝会社のテラスで太極拳教室が行われていた時代があった。斉藤キャスターの旗振りで、文化放送に「朝のラジオ体操」が高度成長期のように復活するかもしれない。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分～5時50分、文化放送（AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko）で放送中。
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