伊藤惇夫氏「気づいたら日本はやばい国になってた」 11月18日「くにまるジャパン極」
11月18日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、日本の問題点をこう指摘する。「日本は90年代半ばくらいまで製造業の分野はトップランナーだった。テレビ、半導体、パソコン、携帯電話。ところが気が付くと国際競争の中で遅れを取っている。実際、調べてみたら驚きました。ひどいですよ」一体、どれほどひどいのか?
伊藤惇夫氏は、日本の製造業が世界と比べ遅れをとっている現状を説明した。
伊藤氏「例えば、半導体。かつて日本は世界全体のシェアの5割を占めていた。しかし、今では台湾や韓国のメーカーに全然敵わない。気づいたら技術革新で遅れを取ってしまった。携帯電話は、アップル、サムスンに押されてて去年の上半期のシェアはアップルが45%、日本はソニーが10%程度。パソコンは国内のメーカーの大半は撤退。日本製のTVも海外ではほとんど売れていない」
さらに日本が置かれた大変な状況を生活面でも指摘する。
伊藤氏「日本人は勤勉だと言われてますが、時間当たりどれくらいの価値を生み出しているのかを計る労働生産性は4866円。OECD(経済協力開発機構)35カ国のうち、21位。また、日本人の給料は、20年前から4%しか上がっていない。これは、35カ国の中で22位。日本人はこの20年間同じ額の給料で働き続けていると言っていい」
こうした数字を見て、伊藤氏は政府にこう訴える。
伊藤氏「日本は経済大国だと思っていたがどんどん斜陽化している。岸田総理は新しい自由主義とかおっしゃってますけど、現実を直視してどこに問題があるのか徹底的に洗い出して、どういう手を打てば少しでも元気になるのか?あるいは落ち込みを防げるのか?という長期的な視野に立った方向性を打ち出すということがものすごく大事な気がします」
野村邦丸アナ「ワクチン研究にしても日本は、アメリカやヨーロッパに比べて基礎研究の分野の投資ができていません。基礎研究は、すぐに実りをもたらすかわけではないので、なかなかお金を投じるのは大変なんだけども、そこにお金を投じていないがゆえに、気が付いたら土壌まで荒れてしまう」
伊藤氏「まさにそういう部分を見直して、それを修正するためには誰がどういう手を打てばよいのか?そこをきちっと洗い出さないとどんどん劣化していってしまう。長期的な国家戦略を立てないとダメな時代になってきています」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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