高倉健の歌声の魅力を今に伝えるため各界のプロが結集!命日に発表されたアナログレコードの魅力とは~11月12日「くにまるジャパン極」

高倉健の歌声の魅力を今に伝えるため各界のプロが結集!命日に発表されたアナログレコードの魅力とは~11月12日「くにまるジャパン極」

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2014年に亡くなった俳優・高倉健さんの養女で、最期を看取ったパートナーでもある小田貴月さんが11月12日の「くにまるジャパン極」(文化放送)のゲストに登場。命日に発売されたアナログレコードにまつわる健さんの知られざるエピソードや、音楽のプロたちのこだわりについて語った。

高倉健さんの命日である11月10日に、生産限定盤のアナログレコード「風に訊け -映画俳優・高倉健 歌の世界-」がビクターエンタテインメントから6,600円で発売された。その一曲は、2001年公開の映画「ホタル」で健さんがハーモニカを演奏した「故郷の空」。レコードでは映画の抜粋ではなく貴重な東映の音源を使用しているが、一聴すると音がズレるなど稚拙な部分もある。小田さんによると実はそこに大きなこだわりが秘められているという。

小田氏「映画の中では曲のワンフレーズぐらいで演技に入ってしまうんですが、一応全部吹いているんです。そのお手本としてプロの方の演奏があったんですけど、高倉は漁師の役だったので「漁師はこういう風には吹かないよね」と言って、家でずっと音を外すトレーニングをするんですよ。音をだぶらせたり外すのって結構テクニックいるんですよね。それで当時、録音をしていた方は「あっ、健さん間違ってる」と思っていたんですが、監督はカットせずそのまま最後まで吹き続けているんです。」

このレコードは、今年3月に発売された同名CDを受けて企画されたものだが、単なるレコード化とは違い、小田さんや音楽のプロ達による大変な努力が詰め込まれているという。

小田氏「高倉の時代は、一人のアーティストは通常だいたい一社から楽曲を出すことが多かったらしいんですが、高倉の場合は8社に渡っているんです。」

各社から音源を集めるのは、レコード化に協力した音楽プロデューサーの飯田久彦さんも、当初無理だと感じていたという。

小田氏「飯田様はプロ中のプロですからハードルの高さをご存知なわけですね。でも私は素人なので、若干怖いもの知らずだったのだと思います。塀の高さが見えてなくて、跳ね返されたらまたちょっと考えればいいと思っていました。というのは高倉の最後の音源をいかに活かすかということしか考えなかったので、もう頭下げて回るのは当たり前で、これは私の役目だと思っていました。」

こうして音源が集まったものの、アナログ化して一つにするのはまた大変な努力が必要だった。

小田氏「マスタリングやカッティングのエンジニアさんは、今の業界でおそらく2トップの方で、高倉の声をどうやったら最大限魅力的に、そして人間味あふれるようになるか、ものすごく時間をかけてこだわりにこだわってくださいました。また当時、高倉の音源を録音してくださった時のエンジニアの方が、最後の最後まで貼って、一言一言の声がきちんと立つようにして下さいました。」

小田さんは今回のアナログ化を通じてレコードの奥深さに気が付いたという。

小田氏「私は初めて知ったんですが、レコードのマザーを使ってプレスしていくと、一枚一枚版画のように個性が出るというんです。これは、レコードの最終的な試聴会をさせていただいた、岩手県一関市の「ジャズ喫茶ベイシー」のオーナーが、「貴月さん、レコードって生き物なんだ。一枚一枚全部違うんだよ。だから最初に針を落としてレコードを鍛えていく、こういうことをするんだ」と教えて下さいました。こうして最終的に、自分だけの一枚に育てていくというんです。奥が深いんですね。」

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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