「共通投票所、設置拡大のカギは?」~10月28日(木) 斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!
共通投票所は、投票日当日、自分が住んでいる自治体の中で、自分が指定された投票所以外で投票することができる投票所のこと。その数は、2017年の衆議院選挙のおよそ7倍となり、過去最多になったことを受けて。「ニュースサキドリ・後半」(午後4時2分~)では、東北大学大学院の准教授の河村和徳氏に共通投票所の現状について聞いた。
そもそもの発想として、河村氏は「期日前投票所が当日もそこ(ショッピングセンターや公共施設)で出来るようになると、“投票しやすくなる”ということがポイントである」とした。その上で、前回より7倍増えたという共通投票所の数(11道県で48カ所)が妥当かどうかを問うと、「最初の予想ではもう少し増えるかなと思った」そうだが、(共通投票所は)それぞれの投票所で“投票しましたよ”という記録を同期しなければいけない、2回投票させないために連絡(=整理)をしなければいけないことになり、「その連絡のためにインターネット回線を引かなければならない、電話を準備しなければならないということになり、自治体は慎重になっているところが多い」のだという。
例えば、投票所に設置される学校については、職員室にはインターネットが繋がっていても、体育館では繋がっておらず、“無線で飛ばすには個人情報にかかわるので危ない”となり、“自治体が(それまでの)ルールを変えたり、有線にするための工事にお金がかかったりする”ことから、お金のない自治体や人口が多くて投票所がたくさんあるところはこれらを全部やらなくてはいけないので、なかなか出来ないのだと苦しい自治体の実情を明かした。
そして、都内に共通投票所がないことについては、「投票所の数が多い。都民は権利意識が高いので、無線で簡単にやるための理解をしてもらうための時間がかかる、周知の時間がかかる、環境を整えることに時間がかかるのだと思う」と分析。
共通投票所の設置推進に関わる人たちは、「出来る限り、投票に行きたい人が投票できる環境を作りたい」と考えていて、(共通投票所が)同期をかけて二重投票を防止するという点において、「実は共通投票所は“インターネット投票”を目指していく第一歩という位置づけが出来る」とした。そして、「デジタル庁の小林史明副大臣(※)がそもそも政務官時代に共通投票所が進んだので期待していいかなと思う」と明かし、デジタル庁が総務省と連携して設置の環境を整備していくことに期待を寄せた。
※小林副大臣はNTTドコモ出身。2017年~2018年に総務大臣政務官を務めた後、自民党青年局長、自民党のデジタル社会推進本部事務総長、行革推進本部規制改革チーム座長を経て、2021年1月、河野太郎内閣府特命担当大臣の大臣補佐官に就任。ワクチン接種事業をサポートし、ワクチン接種の記録システム構築などに携わる。今年10月6日、現職就任。
『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで内容をお楽しみ頂けます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。