吉崎達彦氏「ハロウィンとともに開催される2つの国際会議は問題が山積み?」~10月26日「くにまるジャパン極」
日本で衆議院選挙の投開票が行われる10月31日は、ハロウィンでもあることから、東京・渋谷はどんな混雑になるのか注目しているというエコノミストの吉崎達彦氏。10月26日の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、月末から欧州で開催される2つの国際会議について詳しく解説した。
今週1週間は遅い夏休みを取っている野村邦丸アナウンサーの代わりに、月~水曜日は番組プロデューサーでもある太田英明アナウンサーがピンチヒッターを務めている。太田アナはまず、この2つの会議の概要について尋ねた。
太田アナ「10月31日ですけども、今日吉崎さんに語っていただく2つの大きな国際会議が開催される日でもあるということですね?」
吉崎氏「1つは10月の30日と31日にイタリアのローマで開かれる『G20サミット』。で、10月の31日から11月12日にかけて行われるのが『COP26』。これは気候変動問題の会議ですよね。この2つの日程がガッチャンコしてるっていうのは、もともとイギリスとイタリアの間で示し合わせて、とにかくもう、ここで気候変動問題を思いっきり話し合えるぞと。だってトランプさんが大統領になったことで2017年からアメリカがパリ協定を抜けてたわけですよね。それから4年経って、バイデンさんが勝ったことで今年の2月にやっとアメリカが戻って来てくれた。さあこれからやるぞ!っていうことで、2つの会議を用意して、ハロウィンが勝負だと、多分ヨーロッパの首脳は考えていると思うんですよね」
太田アナ「それだけ今、異常気象が世界中で多く頻発していて、何とか気候変動を食い止めないと、持続可能な社会を作れないといった風潮が世界中で高まっていると」
吉崎氏「ところがですね、この『G20サミット』はどうも4カ国が欠席するようです。どこの国かというと、まず日本。我が国は選挙と重なっちゃったんで『ごめん!』と。次にロシアも、プーチン大統領は『行かない』と。今、ロシアも相当感染者数増えてるし、とてもそれどころじゃないと。それからメキシコのオブラドール大統領という方は元々外遊しない人。そしてまだハッキリしてないんだけども中国の習近平さんも来ない」
太田アナ「この理由は何ですか?」
吉崎氏「まず習近平さんはコロナ以降ピタッと外遊しなくなった。でもアメリカ側としてはそろそろ米中首脳会議をやりたいわけですよ。で、9月にジョン・ケリー気候問題担当大統領特使を中国に派遣したら、北京に入れなくて天津に留め置きになってしまったそうです。それも天津ではリモート会議だったという、全然空振りもいいところで。それでバイデン大統領が習近平さんに電話会談を申し入れた。米中会談は年内にリモートで出来れば、みたいな」
アメリカがそうまでして中国と話し合いたい理由とは?
吉崎氏「その理由はもうわかりやすくて、気候変動問題で中国の譲歩を得たいと。そうでないとCO2の排出量は完全に中国がNO.1ですから、話し合いが進んで貰わないと困るという状態なんです。最近のバイデン大統領は台湾問題に関して中国にちょっと勇ましい発言も多いんですが、中国に対する姿勢はやや前のめりになってるかな~って感じですね」
そのバイデン大統領も国内に反対分子がいることもあり、会議までには意見がまとまらず大変苦しい状況だという吉崎氏。世界的に気候変動に対する危機感が高まる中、エネルギー問題について世界中が今までの方針を考え直す必要性も出てきているという。はたして今回の2つの国際会議はどんな結論を導き出すのだろうか?
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏は火曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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