「電気料金値上げ」コロナだけじゃない日本独自の事情 ~10月12日「おはよう寺ちゃん」
資源価格の上昇が「電気料金値上げ」という形で、家計にさらなる追い討ちをかけるかもしれない。10月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、この問題について寺島尚正アナウンサーと、火曜コメンテーターの上武大学教授・田中秀臣氏が意見を交わした。
「所得水準の悪化→購買力低下」の可能性も
主要な4つの電力会社で、2021年11月の家庭向け電気料金が年初から平均で13%高くなる。原子力発電所の再稼働が進まないことで、価格上昇中の液化天然ガスや石炭などの燃料への依存度が高まって、今冬も料金高が進む可能性があり、消費の下押し圧力になりかねないとも言われている。
「今年11月の標準家庭の電気料金は、東京電力が7371円、関西電力が7007円、中部電力が7026円、九州電力が6699円となります。年初からの上げ幅が東京電力で17%、関西電力が10%。関西電力が7000円を超えるのは、標準家庭の電力使用モデルを改めた2016年以降初めてです」(寺島アナ)
電気料金の値上げについて、田中氏は次のように分析する。
「そろそろ世界がコロナ禍を脱して、CO2(二酸化炭素)の排出量が少ない天然ガスへの需要が増えていることが、資源価格の高騰に結びついているのがありますよね。後は日本独自の(事情として)原子力発電の再稼働が思うように進まないこともあり、この傾向はこれから強まる可能性が高いです。そうなれば我々の所得水準は厳しくなり、購買力も下がることになり、苦しくなりますね」
寺島アナが「これでまた景気が冷え込むなんてことはありませんか?」との懸念を示すと、田中氏はそれを肯定し、同時に『文藝春秋』11月号に取り上げられた、財務事務次官の発言を紹介した。
「『政府はやることを全てやった。お金はいっぱい配ったから、国民も企業もコロナ禍の後にそれを使えばリバウンドで(お金が)たくさん出てくる』という内容の発言が掲載されています。しかし電気料金やガス料金は上がっているわけで、我々の感情とは違うことを言っているんですよね。(中略)現在、岸田政権は補正予算案でお金に困っている人や業界関係なくコロナでダメージを受けた企業にお金を出そうという政策をしていて、それにも一致する発言ではありません。我々国民の苦境を全く理解していませんね」(田中氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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