自民党「総裁選」出馬の岸田文雄氏 自衛隊法、改正検討の考え示す ~9月6日「おはよう寺ちゃん」
自民党総裁選挙に出馬する岸田文雄前政調会長は、昨日(9月5日)出演したテレビ番組で、アフガニスタンからの国外退避を望むアフガン人協力者が取り残された問題について、自衛隊機の派遣要件を緩和する自衛隊法の改正を検討する考えを示した。
これを受けて、9月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと、月曜コメンテーターの経済評論家・上念司氏が、自衛隊の活動を話題に議論を展開した。
上念司氏「駐留活動にも、少ない戦力でいいので割いて」
アフガニスタンからの国外退避に関して、今回の退避計画で、待避させることができたのは一部にとどまっていた。そして、日本大使館で働くアフガニスタン人職員など、家族も含めると約500人が現地に取り残されていた。初動の遅れが原因とみられている。
テレビ番組で、岸田氏は「危険な状況の人を救いに行くのに、現地の安全が確認できないといけないのは国民感覚からしてもどうなのか、ぜひ改正を考えてみたい」などと発言。現在の自衛隊法では、緊急時の自衛隊機による在外法人などの輸送について、安全に実施できる場合のみ認めているが、これを改正するということだ。
この話題に対して上念氏は、「岸田氏の言っている通りですよ。危険な状況のところに人を救いに行くのに、安全な状況じゃないといけない、なんていうのは矛盾そのもの。改正しないとダメですね」と岸田氏を全面的に支持していた。
「もう一つ言わせてもらうと今回、韓国軍が見事なオペレーションを見せたということで、日本もやっていたんですけど、一日遅れてダメだったんですよ。韓国軍はアフガン駐留軍に参加していましたが、日本は参加していませんでした」「アフガニスタンみたいなところは、欧米人が駐留に来ると、けっこう反発があるらしいんですよ。すごい親日な国だし、同じアジア人ということで、自衛隊なんかが行ったらすごい人気が出て、みんな協力してくれたはずなのに、この20年間行かなかった。国際秩序を守るためという大義名分のもと、こういった駐留活動にも、少ない戦力でいいので割いて。危機に対応するのが自衛隊ですから、武器使用要件なんかも緩和して、積極的に出ていく必要があると思います」(上念氏)
上念氏の解説は熱を帯び、さらに力説する。
「憲法9条に書いてある『国権の発動たる戦争』と今回のアフガニスタンのような戦争とは全然違いますから。国際秩序を守る活動です。それをやるために必要なのが『プロフェッショナル・ミリタリー』――これが軍隊です。憲法9条の2項に書いてある『戦力』というのは侵略戦争をやる国が持つ戦力。これを「ウォー・ポテンシャル」と言います。訳語が、全然違うんですよ」(上念氏)
<参考ニュース>
自民党総裁選に出馬表明している岸田文雄前政調会長は5日、フジテレビ番組に出演し、自身の政策をアピールした。新型コロナウイルス患者の病床確保に向けた法改正を主張。連日のテレビ出演で発信の先行を図る。麻生派所属の河野太郎行政改革担当相は、他派閥所属の議員と東京都内のホテルで会い、出馬の意向を伝えた。
岸田氏が率いる岸田派を除き、支持に関する派閥の対応は決まっていない。竹下派会長代行を務める茂木敏充外相はNHK番組で「グループをしっかりまとめていくことが何よりも重要だ」と重ねて述べ、結束を目指す考えを示した。
(共同通信ニュースより)
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