新型コロナウイルス「病院の診療拒否」なぜ起こる? 自宅療養者増加の原因に迫る 9月3日「ニュースワイドSAKIDORI!」
精神科医で映画監督の和田秀樹氏が9月3日(金)放送の「斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!」(文化放送)に出演。
「週刊ワダヒデキ」のコーナー内で、「なぜ健康保険料を支払っているのに診療拒否が起こるのか?」というテーマで病床ひっ迫の原因を指摘した。
医師が患者の診療を拒否できるケースとは
和田氏ははじめに、患者が診療に訪れた場合、医師は診療に応じなければならない「応招義務」が医師法によって定められていると説明。本来であれば、コロナ患者を正当な理由なしに拒否することはできないと指摘した。しかし現実には病床が足りず、自宅療養者は増えている。それは一体なぜなのかを解説した。
その原因として挙げたのは、感染症法に基づいた「分類」だ。危険度の高い1類、2類に指定されると、保健所における対応が必要になるため、その対応できない病院では受診が拒否できるというもの。現在、新型コロナウイルスは2類相当に位置付けられている。和田氏は「これを3類以下に下げてくれれば病院が増える」と病床ひっ迫の解決方法を示した。実際、日本の新型コロナウイルスに感染して死亡に至る確率は、ワクチンの普及や診療技術の開発により、0.1~0.2%と季節性インフルエンザとほぼ同じ数値だという。最近は増加傾向にあるため予断は許さないものの、それでも季節性インフルエンザが5類に分類されていることを考えると、新型コロナウイルスも5類まで、せめて3類以下には下げてもいいのではという考えだ。
新型コロナウイルスの扱いの見直しは?
では、次に我々が気になるのは、なぜ感染症法の分類の見直しが行われないのかということだ。和田氏は、これは「あくまでも想像だが」と前置きした上で、補助金の仕組みについて言及した。例えば2類指定を受けている場合は1ベッド900万円の補助金が支給されるが、この指定が下がることで補助金は大幅に減額される。これにより病院の経営にも影響するからだろうと指摘。さらに、患者の受け入れができるベッド数に余裕があるにもかかわらず受け入れていない病院がある問題にも言及し、改めて、医療を受ける権利は誰にでもあると訴えた。