喋りに喋って24年、1200回『伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛』
伊東四朗さんと吉田照美さんの絶妙な掛け合いが人気の『伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(オヤジ・パッション)』が、2月20日の放送で通算1200回を迎えます。これまでの24年間を振り返りながら、伊東さん、照美さんのお二人に水谷加奈アナウンサーを交えて、お話をうかがいました。
※こちらは文化放送の月刊フリーマガジン「フクミミ」2021年2月号に掲載されたインタビューです。
誰かが誰かの「恩人」になる
水谷 『親父・熱愛』が放送1200回を迎えます。
伊東 感覚的には1200回もやってるとは思ってないんだよね。だから、もし番組スタートの時点に戻って「これから1200回やります」って言われたら断りますよ。何をやったらいいか困るもの(笑)
水谷 照美さんはどうですか。
照美 伊東さんは僕にとって本当に恩人なんですよ。僕は『(吉田照美の)やる気MANMAN!』という番組を20年やらせていただきましたけど、非常に品のない番組で、最初の頃は「いかがなものか」という意見もあった。でも、伊東さんが番組のことを面白いと言ってくださったというのが間接的に伝わってきたんです。そういう意味で、伊東さんに救われたというか。あの番組があったからこそ、この『親父・熱愛』で伊東さんとご一緒できるという夢のような出来事にもつながったんだなと。
それで思い出すのは、中学生の頃に新聞で読んだ映画監督の市川崑さんのインタビュー記事です。その記事で市川崑さんが、てんぷくトリオの三人の中で伊東さんのことを面白いとおっしゃっていたんです。てんぷくトリオといえば、当時はみんな三波伸介さんに注目していたわけですけど、「やっぱり映画監督というのは目の付け所が違う。そういう目を持たなきゃいけないんだな」と思ったんです。その記事は伊東さんもお読みになってたんですよね。
伊東 たしか市川崑さんは私の名前も知らなかったんですよ。「名前は知らないが痩せてて」と。ただ、印象には残った。どこで誰が見てるか分からない。これはうかうかしてられないぞ、と。だからそれ以来、後輩にも「手を抜くなよ」と言うようになりました。
「根っこ」の有る人、無い人
水谷 伊東さんからご覧になって、照美さんはどんな方なんでしょうか?
伊東 「根っこ」というものがあるのか、どうなのか。
照美 うはは(笑)。たしかに根っこは無いですね。根無し草。
伊東 まあ、ラジオっていうのは根っこがあったほうがいいのか悪いのかは、一概には言えないよね。
照美 そうですか。まあ、根っこがある植物たちの中で、こういう植物もいるよって言うしかないですね(笑)。たぶん、そこで僕は生き長らえてるんだと思います。
水谷 伊東さんは「根っこの人」ですよね。
伊東 俺?
照美 (成功のための三条件として)「運鈍根(うん・どん・こん)」という言葉がありますけど、まさに伊東さんという感じがするもの。
伊東 そう? じゃあ、「ルート伊東(Root:英語で根っこの意味)」っていう芸名にしようかな。
照美 かっこいいじゃないですか(笑)
水谷 放送に臨むにあたって何か気をつけていることはありますか?
伊東 基本的にはないね。
水谷 でも、伊東さんは”タフマン”であるために、いろいろと鍛えてらっしゃいますよね。
照美 すごいよね。脳トレなんて言葉がない頃から、記憶力が衰えないように、アメリカの州を覚えたり、円周率を覚えたり。
伊東 それは自分のためだから。
照美 でも、自分のためでもあるけれど、『親父・熱愛』をやるにあたっての、それこそ根っこになってるんですよね。
水谷 そうですよ、根っこですよ。伊東さんの記憶力はすごいです。
照美 異常だよね。”イジョー四朗”だよ。
伊東 ”ルート伊東”でいこうと思ってたけど、今度は”イジョー四朗”?(笑)
文化放送、最高齢番組?
水谷 それでは最後に、今後の番組で楽しみにしていることを教えてください。
照美 この番組はゲストが登場する回数は多くないんだけど、たまに竹内まりやさんとか、すごい方がお見えになったりするんだよね。そういう素晴らしいゲストの登場を待ち焦がれています。
伊東 そういえば、(ドラマで)私の娘役の羽田美智子さんがビチョビチョで来たことがあったよね。
照美 台風のときでしたよね。
伊東 生番組をやってると、そういうハプニングもあるからね。
照美 記憶に残りますよね。
水谷 そういえば、この三人合わせて何歳でしたっけ? 83歳、69歳、53歳。
照美 みんな暗算ダメだよな(笑)
水谷 高齢化にふさわしい番組ですね(笑)
照美 たぶん、文化放送の中でも一番年齢層の高い人間がやってる番組だよね。なかなかいないでしょ。
水谷 いないと思いますね。
照美 ギネスで表彰してくれないかな?
水谷 では、文化放送の社長賞か何かを(笑)
照美 お願いします!
伊東 お願いします。
2月20日(土)の放送終了後は、午後5時より”祝1200回記念スペシャルコンテンツ動画”をYouTubeで配信します。
伊東四朗、吉田照美のお二人に過去1200回を振り返ってもらいながら、リスナーと一緒に乾杯、ここだけでしか聞けない話など、動画ならではのスペシャルな内容をお送りします。
詳しくは番組HPをご覧ください。
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Profile
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1937年生まれ、東京都出身。1958年、舞台デビュー。1961年、軽演劇仲間の三波伸介、戸塚睦夫と「ぐうたらトリオ」を結成し、2年後「てんぷくトリオ」に改名。テレビ、映画、舞台、ラジオなどで幅広く活躍。
1951年生まれ、東京都出身。1974年、文化放送にアナウンサーとして入社。深夜ラジオ『セイ!ヤング』『吉田照美の夜はこれからてるてるワイド』などのパーソナリティとして人気を博す。文化放送退社後は、フリーアナウンサーとしてテレビ、ラジオなどで幅広く活躍。
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この記事の番組情報
伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛
土 15:00~17:00
バラエティからクイズ番組の司会者まで今や世代を問わず幅広い層に人気の「伊東四朗」と文化放送の顔&ラジオの帝王「吉田照美」の異色な二人が”親父”という立場から一…