“平成の怪物”西武・松坂大輔、23年の現役生活に幕…仲間から「お疲れ様」の言葉(ライオンズナイター)
西武は7日、松坂大輔投手(40)が今季限りで現役を引退すると発表した。
松坂は昨季、古巣・西武に復帰。春季キャンプ、オープン戦では順調な調整を見せ、3月22日、開幕3戦目の先発が内定していたが、コロナの影響による開幕延期が決まり、満員のメットライフドームでの登板は幻となった。その後、6月の練習試合にも登板したが、開幕は二軍スタート。7月に首の痛みと右手のしびれを解消するため、脊椎内視鏡頸椎手術を受けてからはリハビリ生活が続いていた。
98年、横浜高校のエースとして甲子園で春夏連覇、3球団競合の末、ドラフト1位で西武に入団した松坂大輔。1年目から16勝を挙げて最多勝、新人賞に輝いた。西武のエースとして8年間活躍し、06年オフにポスティングシステムで米大リーグに移籍。レッドソックスでも1年目にワールドシリーズ制覇するなど、通算56勝を挙げたが、11年の右肘手術以降は怪我に苦しんだ。14年オフに日本球界に復帰、ソフトバンク、中日と渡り、18年には6勝を挙げてカムバック賞も受賞した。
19年オフ、14年ぶりに西武のユニフォームに袖を通し「家に帰ってきた感覚、決まった時は本当に嬉しかった。最後まで諦めずに“200”という数字を目指してやっていきたい」と笑顔をみせていた松坂。今年も「必ずマウンドに立つという気持ちをもってやっていきたい」と話していたが、願い叶わず…『平成の怪物』はプロ23年、日米通算170勝で現役生活に幕を閉じることとなった。
松坂の決断を受け止めた渡辺久信GMは「このような決断に至り、本人も大変悔しい思いをしています。昨年7月に手術を受け、それ以降も『メットライフドームで勝利する』ということを目標に大輔自身、厳しいリハビリに耐えながらここまでやってきました。ライオンズファンに自身の姿を見せることができていない日が続き、体調面もなかなか向上せず、ずっと苦しい思いをしてきたと思います。実際、今年もここまでずっと、球団施設などで毎日復帰に向けて必死にリハビリやトレーニングを重ねる大輔の姿がありました。大輔は現在、体調面、精神面でも決して万全とは言えない状況です。ただ、体調面、精神面が回復した段階で会見という形で、皆さまの前で本人から気持ちを話すことができると思います。今は双方の回復に専念をさせていただきたく、ぜひ皆さまには彼のことを引き続き、温かく見守っていただけますと幸いです。」と話した。
松坂の引退表明を受け、西武で共に戦ってきたコーチ、選手もメッセージを寄せた。
〇西口文也コーチより
大輔も僕ら以上に悔しい想いをしていると思います。彼が入団1年目のキャンプで大輔の球を見て「これが本当に高校生の球なのか」と驚いたことを思い出します。一緒にローテションを回った時期は、大輔が投げる試合を楽しみながら見ていました。常に1人で9イニング投げるんだ、という気持ちですね。何があっても全力で投げる大輔の姿が印象に残っています。あとバッティングも一流でしたよ。まずはここまでライオンズのため、そして野球界のために頑張ってきた大輔に「お疲れ様」と言いたいです。
〇豊田清コーチコメント
大輔もこのタイミングで決断をするのは、辛かったのではないかと思います。彼とは一緒にプレーもしましたが、印象深いのは僕が抑えになった時。しんどい時期もありましたが、大輔が先発する時は(完投してくれるので)「今日は休めるかな」と思ったものでした。大輔には本当に助けてもらいましたし、一緒にプレーをしていて本当に心強かったですね。今は「本当にお疲れさまでした」と言いたいです。
〇赤田将吾コーチ(同期入団)
僕ら世代の代表でもありますし、みんなの目標でもありました。入団したときは一軍で一緒にお立ち台に上がりたいね、という話をしていたことが印象に残ってますね。それは最後まで叶いませんでしたが、一緒にライオンズでやっていた中で本当に味方で良かった、と思わせられる投手でした。引退は誰しもが迎えるものですが、それがこのタイミングだったのかな、と思っています。今は「お疲れさま」と言いたいです。
〇栗山巧選手より
松坂さんは大活躍された先輩ですし、僕も一緒にお立ち台に立つのが目標でした。(自身の出場機会が増えた2005年)当時は、まさか松坂さんと同じユニフォームでプレーできる思っていなかった、緊張したことを覚えています。不思議な気分でしたね。(松坂投手が西武に復帰して)また一緒にプレーできるとも思っていませんでした。松坂さんの今季限りの引退を聞き、非常に残念という想いです。「本当にお疲れ様でした」と言いたいです。
〇中村剛也選手より
自分にとっては憧れの存在であり、スーパースター。そんな松坂さんが引退を表明されて、やっぱり寂しいです。ライオンズに戻ってきて、松坂さんのバックで守りたかったな、と思います。アメリカに行く前も一緒にプレーさせてもらいました。あの時は僕がエラーばっかりして迷惑をかけていました。それでもチームを勝利に導いてくれていましたので、それが松坂さんとの一番の思い出です。
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