吉崎達彦氏「大荒れの東京都議会議員選挙の結果から見る、今後の国政の行方は?」 7月6日「くにまるジャパン極」
7月4日に投開票が行われた東京都議会議員選挙の結果について、エコノミストの吉崎達彦氏は『こんなに事前の予測が外れたことはめったに無くて、私の友人で自民党のベテランの秘書さんが「都民ファーストは思ったより負けないよ」と言ってたんで、それを聞いて私は15議席ぐらいは取るのかなと思ってたんですが、結構ビックリな結果だった』と、自民党の敗北と都民ファーストの予想外の健闘についての感想を述べた。
吉崎氏は、今回の結果が自民党にとって次の総選挙にはきわめて良くない結果だったことを示唆した。
吉崎氏「昔から都議会選挙がある年は政治が荒れると言いまして、1989年夏の山が動いた参院選(「マドンナ旋風」で社会党が勝利)とかね、細川政権誕生の1993年とか、近い所で言うと2005年の郵政選挙、2009年の政権交代選挙と、全部都議会選挙の年に起きている。何でそんなことになるかというと、今回の464万票、これって全国の総選挙の投票数から見たら限りなく1割に近いぐらいなので。東京都議会議員選挙のサンプルとしての意義は無茶苦茶でかいですよね。」
吉崎氏は今回の選挙で自民党が大敗したことについてこう分析する。
吉崎氏「緊急事態宣言を止めた6月20日以降に感染者数が都内で増えているってことと、6月の末から例のワクチンの供給が怪しいぞっていうことになり、この不満が相当与党側にとってはキツかったんでしょうね。」
さらに吉崎氏は秋の総選挙や、総裁選の見通しについても語った。
吉崎氏「秋の総選挙は自民党はそんなに負けないと思うんですよ。野党も本気で今政権取ったら怖いでしょ?ただ、来年の参議院選挙こそは自民党にお灸をすえるのには絶好の機会じゃないですか。それがあるんで、総裁選の前倒しみたいな話は参議院の方で強く出てくるのかなと。」
そして吉崎氏は今回の出口調査から、今後の国政選挙の行方についてこう述べた。
「今朝の朝刊の出口調査の分析結果を見ていると、やっぱり無党派層が前に入れたことの安心感もあって都民ファーストに流れているのがほぼ出てるけど、国政選挙の場合その票はどこに行くのかというと結構難しいですね。立憲民主党と共産党がガチガチに固めるような情勢になって来ると別の意味で(郵政選挙や政権交代選挙の頃のような)風は吹きにくくなりますし。判断は難しいですね」
大方の予想を大きく覆した今回の東京都議選。吉崎氏は政権は今後ますます混迷を極め、さらなる分析が必要だと結論付けた。
<参考ニュース>
次期衆院選の前哨戦として影響が注目される東京都議選が4日、投開票され、自民党が現有の25議席から33議席に伸ばして第1党を奪還した。しかし、公明党の23議席との合計は勝敗ラインとした過半数には届かず、政権に打撃となりそうだ。小池百合子知事が特別顧問を務めて現有最多の46議席だった地域政党「都民ファーストの会」はやや後退して31議席となり、自民と僅差の第2党となった。 新型コロナウイルス対策、東京五輪・パラリンピックで政府や都と対抗姿勢を取る立憲民主党、共産党も政権批判票を一定程度集めて堅調な戦いを進めており、今後の対応に影響を与える可能性がある。
(共同通信ニュースより)
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