「結党70年の自民党大会 石破総理、身を滅しても党再生への隘路は続く」

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 文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

 



 

自民党は3月9日、東京都内のホテルで第92回党大会を開催し、自民党総裁の石破総理は夏の参議院選挙に向けて結束を呼びかけた。。

少数与党となって迎えた党大会での総裁演説で石破総理は「都議会議員選挙、参議院選挙で必ず勝ち抜くべく、わが身を滅して総力を決していく」と強調した。
昨年10月の衆議院選挙で大敗した自民党は派閥裏金問題で未だ、政治への信頼を取り戻すには至っていない。信頼回復に向けて石破総理は2009年に下野したことに触れ、もう一度野党の時の気持ちを取り戻し、国民一人一人に最も近い政党でありたい。その原点に立ち返ることが信頼を回復する唯一の手立てだとも訴えた。

党大会は例年、立ち見が出るほどの盛況ぶりだが、今年は結党70年の記念すべき大会にもかかわらず会場内に設けられた席はところどころ空席があり、石破総理の総裁演説への拍手に力強さは感じられなかった。
一方、党大会で最も盛り上がったのは、参議院選挙の候補者紹介のコーナーだった。候補者をエネルギッシュに彩るため、テノール歌手が登場。歌劇「トゥーランドット」で、勝利を確信する歌「誰も寝てはならぬ」と「We Will Rock You」の2曲を披露。ダンサーも登場し、候補者を盛り上げた。

党大会には、来賓として友党公明党の斎藤鉄夫代表や経団連の十倉正和会長に加え、連合の芳野友子会長らが出席。連合会長が自民党大会に出席するのは実に20年ぶりとなった。その芳野会長は選択的夫婦別姓をめぐり今国会での制度実現を訴えた。

党内で意見が割れる選択的夫婦別姓について、小泉進次郎元環境大臣は党大会終了後、「国会で法案を審議し、国民の理解を深めるべきだ」と述べたほか、採決になった場合「党議拘束をかけるべきではない」と注文を付けた。
一方、選択的夫婦別姓に消極的な意見を持つ小林鷹之元経済安全保障担当大臣は「論点が山積している。合意形成が重要だが、今はまだそういう状況ではない」と述べた。
小林氏はまた、高額療養費制度を含めた石破総理の決定プロセスについて「意思決定が二転三転している」と苦言を呈したほか、石破総理の総裁演説について「メッセージ性が感じられない」と不満を示した。

自民党は裏金事件の影響を受けて党員数は2年連続で減少。夏の決戦に向けて結束、団結、行動を呼びかけた石破総理だが、党内の不協和音を抱えたまま、党勢をどこまで立て直せるのだろうか。党再生に向けて石破総理の真価が問われる1年となりそうだ。

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