
「赤木俊夫さんは本当に強い人だった」命日を前に伝えたい真実
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、3月6日の放送に元内閣審議官経産官僚で政治経済評論家、古賀茂明が出演。森友学園への国有地売却に関する財務省の公文書の改ざんを強いられ、自死した赤木俊夫さんについて、命日(3月7日)を前に解説した。
古賀茂明「(公文書改ざん問題について)この話は要するに、森友学園というところになぜか財務省がものすごい格安で土地を売ってしまったと。そのからくりの中にもしかすると安倍晋三元首相の奥様の安倍昭恵や、そういう人たちが絡んでいたのでは、という疑惑が出てきて。それに対して当時の安倍首相は『絶対にない。そんなことがあったら私は総理大臣どころか政治家、議員だって辞めます』と大見得を切った」
長野智子「はい」
古賀「それで森友問題が、日本の首相の進退問題と直結する、大きな話となった。あとでわかったんですが財務省の中で公文書、売買契約の決裁文書ですね。そこに『昭恵さんがこうで……』といった話が書いてあった。財務省の官僚が見て安倍さんの答弁を聴いて『これまずいよ』と。こんなものがあるとわかったら安倍さん辞めてしまうんだから、なんとかしないといけないね、といって当時の契約の担当だった佐川宣寿理財局長が改ざんを命じて」
長野「はい」
古賀「実際に取引をしていたのが近畿財務局で。契約自体に赤木俊夫さんはまったく関わっていない、何も悪いことはしていないんです。でもたまたまそこに居合わせたので、文書を改ざんしろ、と言われて」
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「ああ……」
古賀「僕はこのことをいちばん、この話では強調したいんですけど、かなりたくさんの人が関与しているんですね。財務省の本省でも、局長を含め、何十人も入っている。近畿財務局にも恐らく10人以上の人が絡んでいる、と。そういう中で決裁文書を書き換えて改ざんする。普通に考えると公文書偽造、犯罪なんですね」
長野「はい」
古賀「誰もが悪いとわかっていたけれど、誰も声を上げなかった。その中で赤木俊夫さんは、『改ざんした、改ざんした』と言われていますけど、1人だけ『ダメですよ、これは』と。涙ながらに上司に抗議した。しかも財務本省といったら雲の上みたいなところ。そこにまでメールで『ダメです』と送った。でも最後はとにかくやってくれ、ということで。彼は仲間の役人の人たちのことも考えて、自分がやらなければほかの人がやらされるだけだ、と。じゃあ僕が、ということでやってしまった」
長野「はい……」
古賀「そういう方なんです。それを気に病んで鬱状態になって。心が弱かったから自死してしまった、とよく解説されます。でも官僚をしていた僕から見ると、財務省がいかに巨大な権力機構で、地方部局のいち職員が局長に逆らって抗議の声を上げる、というのがどれだけ大変なのかわかる。それをした、本当に強い人だな、と思うんです」
長野「ええ」
古賀「絶対に皆さんの認識を変えていただきたいな、ということで。きょう、それは言いたかった、ということです」
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長野智子アップデート
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