森永卓郎最後のメッセージ「もう一度、どうしたらみんなが「楽しい社会」「楽しい文化」を追求できるのか」
1月29日(水)の大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)は、28日、原発不明がんのため67歳で亡くなった経済アナリストの森永卓郎さんの番組最後のリモート出演の音声を流し森永を追悼した。
大竹まこと「え~…え~…え~、まぁ…この番組のリスナーとの約束を破り、そして私との約束も破り、見事にバットを振り切って、森永卓郎が亡くなりました。ご冥福をお祈りします。いや、もうね。とにかくすごい男だったと。時系列から申し上げますと、月曜日に2つのラジオこなしたんですか?そして、月曜日の昼間森永卓郎さんはリモートでこの番組に出演なさいました。番組に出演した時間帯、それから丸1日同じ時刻に私の放送最後に同じ時刻に亡くなりました。最後の最後までバットを振り切ったというか、番組ではリモートでご出演だったんですが、リモートの最初の方にちょっとリモートで森永さん、なんかカーテンしかうつってませんよみたいなことを言って」
いとうあさこ「日が入ってね」
大竹「日が入って、森永さんはあの日を浴びながら手前の方の右側にちょっとうずくまるようにしていらっしゃったんですけども、日の当たる中で、ものすごい多分想像ですが、かなりの激痛に耐えて、 私たちはそのモニターを見てるんですが、 体をくの字に曲げて左に傾きながら、あらん限りの力を振り絞ってメッセージをいただきました。森永さんのこの番組でお話になった皆さんへの最後のメッセージです」
森永卓郎「楽しい社会って何なのかというお話をしたいと思うんです。石破総理が、施政方針演説の中で、「楽しい社会を作るんだ」っていった時に、多くの国民が「何わけのわかんないこといってんの?」と思ったと思うんです。かく言う私もそうだったんです。ここに来てあらためて思うようになったのは、案外それが正しいんじゃないかということなんですね。なんでかというと、今世の中で、何が起こっているかっていうと社会を分断して、みんなで弱ってる方を袋叩きにするっていうのを楽しみにしている人が実は本音では多いんじゃないか。一部の人たちを、ボッコボコにすることによってストレスを発散するような社会っていうのが本当にいい方向なのかなっていうのを思うわけです。もう一度、どうしたらみんなが「楽しい社会」「楽しい文化」を追求できるのかっていうのを議論し直さないといけないんじゃないかなって私は思うんですよね。だから、そういう意味でもね。私はエンターテイメントの果たす役割って、すごく大きいって。私も隅っこでは発言してるんですけど、エンターテイメントって、別に何の役にも立たないわけです。でも、そういう時代だからこそ、楽しめる社会を作るために大きな貢献ができるんじゃないかという気がして仕方ないんですよね。本当に、じゃあ我々なんのためにこの世に生まれてきたのかというのは、私は人を袋叩きにするために生まれてきたんじゃないんだと思うんですよ。だから…その、世の中に役に立たないものだけにこういう時代は(エンターテイメントが)一番役に立つんじゃないかと思うんですよね」
大竹「少なくとも楽しいことを皆さんに提供して笑ってもらおう楽しんでもらおうと思ってる何も産まない集団があるわけですからね」
森永「そうそうそうそう。だからそこをちっとも議論しない社会を私はあんまり良くないんじゃないかなというふうに強く思ってる」
大竹「なるほど!」
大竹「はい。これが最後の言葉でしたね。この番組には2008年の10月からレギュラーで出演なさってます。今は2025年ですから、足掛け何年ですか16~7年ですね。長い間お世話になって、いつも楽しい話と厳しい話、たくさんの話をしていただきました」
この後は、森永との思い出を出演者が音声と共に振り返った。
「大竹まことゴールデンラジオ」は平日午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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