【アナコラム】砂山圭大郎「森永さん。本当にお世話になりました」
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「アナウンサーコラム」。週替わりで文化放送アナウンサーがコラムを担当しています。この記事では全文をご紹介!
▼1月31日配信号 担当
砂山圭大郎アナウンサー
森永卓郎さんがご逝去されました。
ゴールデンラジオへの最後の出演は、亡くなる24時間前でした。
大竹まことさんの、力のこもった「また来週」という言葉から、こんなに早くお別れが来るとは思いませんでした。
年が明けて最初の放送(1月6日)を聴き直すと、森永さんはまだお元気で。
体調が急変されたのは、翌週からです。
垣花正さんの番組を早退された日。
マネージャーさんから、20日のゴールデンは、本人の意向しだいですが、リモートでの出演をお願いするかもしれないという連絡がありました。
私が覚悟したのは、この時でした。
お付き合いも長くなってきて、森永さんの性格はわかります。
ガンが発覚してからの意思もわかっています。
おそらく森永さんは、スタジオに来ると言うだろう。
体が動く限り、森永さんは覚悟を持ってスタジオにいらっしゃるだろう。
我々も、毎回これが最後かもしれないという覚悟を持って、森永さんの意思を尊重しよう。
プロデューサー、ディレクターとも、そう確認しました。
1月20日(月)
森永さんは、やはりスタジオに来ました。
最近、局内では使っていなかった杖をつきながら。
座る時も苦しそうでしたが、いつも通りに放送を終えられました。
1月27日(月)
森永さんとの最後の放送になった日。
体調はかなり悪いということで、前日にリモート出演が決定。
朝の垣花さんにもオープニングに出演されただけ。
ゴールデンもオープニングまでの想定でした。
しかし、直前のスタッフとの打合せで、森永さんはいつもの時間まで出演すると。
13時40分からの「もっと言いたい放題」のネタも用意していると。
大竹さんとも、森永さんのご意思を尊重しましょうと話しました。
いつも通り、阿佐ヶ谷姉妹さんと森永さんのコーラスから月曜のゴールデンが始まり、30分間のオープニングを終えて、Xのポストを紹介し。
次の「もっと言いたい放題」のコーナー。
これがゴールデンラジオでの、もっと言えば世の中への、森永さんの最後のメッセージになりました。
どんなお気持ちで。
この話を用意され、お話されたのか。
全力でバットを振り抜く。
怖いものはない。
言いたいことを言って死ぬ。
ガンとの戦いに入ってから、常にそう仰っていた森永さんは、大きな相手に対して、言葉を濁すことなくご意見されてきました。
でも、最後のメッセージは、今の日本の空気を案じた、日本で暮らす全ての人に対する優しい言葉だったように感じます。
聴けるうちにradikoのタイムフリーで、森永卓郎さんの声で、是非お聴きください。
森永さん。
本当にお世話になりました。
自分と戦い続けた日々に、改めてご尊敬申し上げます。
安らかに眠るタイプではないと感じますので、次の世界でも、どうぞアクティブにお過ごし下さい。
私からは小さなことですが。
ギターを弾きたいなら、2000円とかの安い物ではなく、もう少し出費して…笑。
これからも多くの方を楽しませて下さい。