【水谷加奈の劇場型恋愛体質】信念のある方でした
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文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴ります。
―1月31日(金)配信分―
随分昔のことですが、森永卓郎さんに初めて御挨拶したとき。
「初めまして。文化放送の水谷です」
「水谷加奈さんですね。知ってますよ。ぼく女子アナウオッチャーだから」
やっぱりこの人オタクなんだ!と思いました。そのときのニヤリ顔は今でも忘れません。
浜祭りに出演されたときの姿からもわかるように、とってもチャーミングな方でした。
農業を始めたときはでこぼこのじゃがいもやふぞろいのナスなどを持ってきてくださって、日焼けしたその顔は少年のように楽しそうでした。
森永さんは他局はもちろん、文化放送にもいつも通り出演されて最期を迎えました。
亡くなる前日の1月27日月曜日。森永さんはゴールデンラジオでこのようにおっしゃったのです。
「社会を分断させてボコボコにすることがいいことか?報復の連鎖が続くと良くない」
フジテレビ問題に関する言及でしたが、その通りだと思います。誰かを袋叩きにすることでストレス発散するような騒動がとても多い昨今。今一度私たちは考え直さなくてはいけないということを森永さんは言い残してくださったのではないでしょうか。真実も事実もわからないまま、いい加減に流れてくる情報だけで感情的に相手を批判しやっつけとようとする。こんなチャイルディッシュな正義感を報道と言ってよいのでしょうか?
これでいいのか。
このままでいいのか。
誰のためなのか。
立ち止まって考えてみるいい機会だと思います。
森永卓郎さん。信念のある方でした。
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