【101回箱根駅伝】早稲田大学・花田勝彦監督「4位で悔しいと思えるチームになった」〜復路終了インタビュー〜

【101回箱根駅伝】早稲田大学・花田勝彦監督「4位で悔しいと思えるチームになった」〜復路終了インタビュー〜

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――今回の結果を受け止めての気持ちは
「3位が見えていただけに、終わってみたら悔しい、の一言。選手たちもその気持ちでいると思う。そういう意味では逆に嬉しい。4位でみんなが悔しいと思えるようなところまでチームが上がってきたことは、成長を感じた瞬間でもあった」

――今年のレース全体を通しての課題は
「往路はずっと混戦で運営管理車でも選手の後ろをつけない中で、選手たち自身が判断して走れていた。 昨年までは後ろについてないと心配な部分が多くて。今は半分以上の選手は自分で判断できるようになってきた。
逆に言えば復路の選手は『もう少し』といったところ。練習は積めていて調子が良さそうに見えたが、不安な面が私の中にはあった。本人たちも不安を抱えて走っているところもあったと思う。
やはり優勝争いするためには、本当に10区間全てで、私がいなくても大丈夫な状態に仕上げなければ戦えないと感じた。よく監督が後ろから励ますシーンを見るが、そういうアドバイスを何もせずにただ見ているだけの状態が私の理想。やはり箱根駅伝を経て世界を目指すのであれば、どんな状況でも自分で判断して走れるようにならないといけない。それができる10人がチームにいるというのが理想だと思っている。それが今年は半分揃ったので、残りの半分はこれからの1年でしっかり鍛えていきたい」

――昨年と比べるとタイムが6分ぐらい縮まったが
「全体的にタイムは上がっている。うちとしては10時間46分台から50分というところを目標にしていた。50分ちょうどぐらいでフィニッシュしていれば、3着から5着というのは想定していた。46分だったら、おそらく3着だろうと。結果的にある程度想定通りだった。シード権に関しては55分切らないと、去年のうちのタイムではシード圏外なので。本当に駅伝戦国時代というか年々レベルが高くなっているなと感じた」

――将来活躍する選手をどう育てていくのか
「今回優勝した青山学院の選手たちは、いい意味でリミッターが外れるというか、タイムで走っていくんじゃなく、その時の状況を判断した中で、自分の感覚を大切にして走っていく。そういうのをうちも鍛えていかないといけない。今までの2年間はまず設定されたタイムで走っていくという力をつけて、そのうえでこの1年に関しては、1人でも走れるような力もつけてきた。自分自身で状況を判断した中で走れるように。山口(智規、3年、2区)に関しては思い切って行ったものの、後半は少し失速してしまった。良いチャレンジだったが改善点も見つかった。そういう意味では色々と他大学の選手含め学ぶ部分もたくさんあった大会だった」

――『青山学院の強さをどう感じたか
「『絶対に自分たちは勝つんだ』という強い気持ちを選手それぞれの走りを見てて感じた。 先頭に立っても全く動じない、それが当たり前っていうところがあって。一方でうちは3位を走ってる時にも、そこの順位がまだ自分たちにしっくり来てないというか。上位にいることが当たり前になって、もっと前に行かなきゃという意識を育てていかないと。そのあたりで青山学院さんは勝ち方を知っている」

――改めて、4位という結果を振り返って
「やっぱり3位が見えていたので悔しいという気持ち。ただ、報告会でも伊藤大志(4年、7区)が言っていたが、胸を張っていい順位だと思う。十分に3強を脅かす戦いはできたのではないか。来年は優勝を掲げながらチーム作りしたいと思っている」

――一般組と推薦組の融合が早稲田の特徴だが、一般組の菅野(雄太、4年、10区)選手の走りについては
「今の早稲田を象徴するような素晴らしい走りだった。一方で、 この1年間言ってきたが、推薦組とか一般組ではなく、箱根、世界を目指すためにはその潜在意識を取り除いていかないといけない。一般組、推薦組関係なく強い選手が走る。チーム内でもっと激しい争いをしないとダメかなと思っている」

――一般組と推薦組の融合で手応えを感じた点は
「具体的にそこはまだ感じていない。やっぱり選手たちの中で推薦で来ている選手には敵わないといった多少の枠組みがまだある。ただ、一般組と呼ばれる人たちにとっての負けないものを作っていかないと優勝は見えてこない。菅野も受験勉強で入ってきて本当にそれはすごい。それで区間賞を取ったらすごいと思うけど、負けたら結局それが言い訳になってしまうと私は思う。だから、結果を出した中でプラスアルファが出てくると、それが早稲田の良さになる。私たちの代だと、早実から上がってきた高瀬(豪史、第69回大会8区区間賞)くんは区間賞をとっている。区間賞をとっていて理工学部で勉強しているというはプラスアルファの要素だと思うので。一般、推薦という枠組みにとどまらず、もっと純粋にやってほしい。4年間やっていることは同じなので、そこにもっとフォーカスしてやってほしいなと」

――来年以降どのようなチームを作っていきたいか
「私が監督になってから勧誘も含めて高校時代に活躍した選手たちも入ってきて、勝ち方を知っている選手、今回で言えば山口竣平(1年、3区)なんかは佐久長聖高校で優勝経験がある。来年の春にも新入生がアスリート推薦で入ってくるし、他にももちろん指定校推薦の選手もいる。これからそういう選手が集まってくるので今いる選手ももっと強くなってもらわなきゃいけない。これからさらに勝ちを知ってる、強い選手がもっと集まってくるようなチーム作りをしたいなと思っている。
私たちが優勝した時にも区間賞を3つ出したのだが、それだともう戦えない時代になっている。やはり記録はどんどん進化するんだなっていうのを改めて感じた。自分たちの中でもリミッターを外すというか、これが限界っていうのは感じないようにしないと。今後どのように成長していくかというのを考えなければいけないなと改めて思った」

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