【101回箱根駅伝】國學院大學・前田康弘監督「102回大会に向け残り364日を1日も無駄にせずチームを再構築する」～復路終了インタビュー～

――箱根駅伝を振り返っていかがですか？
「力の差を痛感しました。本気で優勝を狙いにいってこれだけの差なので、どのチームも1、2人のトラブルはあると思いますから言い訳にはならず、チームとしての力が青山学院大学や駒澤大学と比べ劣った結果だと思います。ただ、出雲駅伝・全日本大学駅伝で勝てたことで証明できたこともあります。これらの結果は本気で獲りにいって得られた結果なので選手たちを称えたいですし、箱根駅伝はもっと深みがあり、20kmを10人で繋ぐ駅伝はまだまだ私自身も勉強不足や力不足がありました。ただ、本気で戦いにいって得られたものもあり、来季以降のチームにどう繋げるかが大事ですし、選手たちもわかってくれていると思います。とにかく今季は終わりですので、102回大会に向け残り364日を1日も無駄にせず箱根駅伝を獲るチームを再構築して、この舞台に堂々と立ちたいです」

――往路は6位、先頭とは5分25秒差でしたが、復路のレースはどういったプランで臨みましたか？
「三強と評されている中で簡単に負けるわけにはいきませんので意地の駅伝でした。強いチームはプライドを持っていると思いますが、このチームもプライドを持った戦いができるフェーズになったのかと思います。運営管理車から見ていて”平林ができなかったことをやってやろう”という姿を後輩たちから感じ、全身全霊で戦ってくれた結果が総合3位であり、力でねじ伏せた結果だと思います。ただ、5年前の3位とは全く異なり、悔しさしかない3位でした。私自身もこの5年間で色々なものを得て価値観も変わりましたので、これが言葉だけでなく来季以降2番、1番と簡単なことではないですが、新生・國學院大學を作っていきたいと思います」

――本大会で得られたものはどういったものですか
「箱根駅伝への対策です。特に山。5、6区は総合優勝の青山学院と計6分30秒近く離されていました。このタイムは2km以上の差です。私自身の山との向き合い方や年間計画が浅はかだったところもありますので、もっと深みを出してチーム作りをしていかないと、仮に5、6区でいい流れを作ってもやられてしまうという繰り返しになってしまいます。そのためにも、私自身が変わらないとチームの流れも変わらないので、どのように選手を育成してかないといけないかを再考しなければならないということが得られたものになります」

――それはリスク承知でスペシャリストを育てるということでしょうか
「卒業後、実業団に進むことを考えた時に、山のスペシャリストというだけでは実業団に採ってもらえない。ハーフなど平地でのタイムを作らない限り、その先の世界にはいけません。その感覚は変えたくないので、あくまでその中の強化の一環としてトレーニングの中で上り勾配を利用し適性を見抜きたいと思います。また、今の山のスペシャリストと呼ばれるメンバーも2回目に大化けしているので我慢も必要かと思います。選手起用についてももう少し考えてやらないといけない、1回で仕留められるほど今の5区は甘くないと改めて感じました」

――今大会特殊区間を経験したメンバーは来年も残りますが、来年も走るということでしょうか
「残りますが、来年度入学予定者で楽しみな学生がいます。その学生をベースに5区は調整していき、若い年次で何回も経験させていきたいと考えています。原監督に調整方法を尋ねてみるなど、ライバルだから話さないということはせず、私自身が素直に変わっていかないといけないかなと思います」

――箱根駅伝直前の早稲田大学記録会（通称「漢祭り」）でも記録を出し、総合力があるように思えますがいかがでしょうか
「今のレベルではダメで、あの2段階上の選手を育成しないといけないと箱根駅伝では勝てないと思っています。ただ、育っているということは育成の方法や方向性は間違っていないと思いますが、他校が取り組んでいる練習を勉強して改革していきたいです」