【101回箱根駅伝】青山学院大学~総合優勝共同会見~

【101回箱根駅伝】青山学院大学~総合優勝共同会見~

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原晋監督
「昨年100回大会の箱根駅伝はフィニッシュシーンが最高視聴率を取っている。それだけ国民的行事に成長したこの箱根駅伝、11年間で8度総合優勝させていただいてることに対して、本当にありがたく思うとともに、各歴代の学生諸君に感謝申し上げたいなと思います。今年のチームも、田中(悠登、4年)キャプテンを中心に言葉を持っているチームであります。田中キャプテンが同期とたまには口喧嘩したり、下級生に厳しく接したり、そういう面も時にはありましたけれども、愛を持って部の運営をしてくれています。田中キャプテン、若林(宏樹、4年)寮長、片桐(悠人、4年)主務、この学生三役がきちんとチームを取りまとめてくれました。本来の学生スポーツのあり方がここに象徴されてるのかなという風に思います。 応援してくださった皆様方、今日はどうもありがとうございました」

1区 宇田川瞬矢(3年)
「自分の走りとしては苦しい結果に終わったかなと思っています。2区から10区、 後輩・同期・先輩と本当に強い選手がいて、心強いなと、助けられたなと感じています。2度目の優勝にメンバーとして走ることができて、心から嬉しい気持ちがていっぱいです」

2区 黒田朝日(3年)
「まず個人としては、昨年も同じ区間を走ったということで、非常に自信を持ってレースに臨むことができました。その上で、区間新記録という結果で走れたことは自分の中で本当に満足しています。また、総合の結果に関しては、昨年非常に素晴らしい景色を見ることができて、今年も同じように総合優勝したいっていう気持ちで今大会に臨みました。今年は特に田中主将をはじめとして、4年生の先輩方の勝ちたいという思いがすごく強い世代だったのかなと思っていて、その熱が(総合優勝に繋がったことを)とても嬉しく思います」

3区 鶴川正也(4年)
「最初で最後の箱根駅伝になったんですけど、最高の景色をチームのみんなと見れて本当に嬉しいです。自分の走りはイメージしたものとは違ったんですが、この経験を今後の競技人生に活かしていきたいと思います。4年間苦しいことがたくさんあったんですけど、最後までこのチームでやってこれてよかったなと思います。本当にこのチームが大好きだなって思いました」

4区 太田蒼生(4年)
「4度目の箱根駅伝出走となって、最後4区で出走して区間賞で終わることができたんですけど、やはり区間新記録を4年間のうちにどこかで残したかった。そこができなかったのは悔しい点ですが、全員で目指していた大手町で笑おうという目標を達成することができたので、そこに関してはすごく嬉しく思います。また、この4年間の集大成が総合優勝で終わることができて本当によかったなと思っています。 この4年間の貴重な経験を今後の陸上人生につなげていけるように、頑張って取り組んでいきたいなと思います。 1番同期には感謝したいなって思っていますし、ついてきてくれた後輩、4年間指導してくださった監督、支えてくださった奥さん(美穂さん)や寮の関係者など、全員に感謝を述べたいなと思います」

5区 若林宏樹(4年)
「個人としては区間賞、区間新をやっと取ることができて本当に満足しています。 なかなか難しいコンディションだったんですけど、自分なりに落ち着いてレースを組んでいけたかなと思っています。チームとしても1年間この箱根駅伝のために様々なことにチャレンジして取り組んできたので、その結果がこうして優勝という形になってくれて本当に安心しています」

6区 野村昭夢(4年)
「個人としてはこの1年間、6区56分台を目標に取り組んできたので、その成果が実って良かったなと思っています。チームとしては出雲駅伝、全日本駅伝で負けて、箱根駅伝だけは勝とうという中で、最後までチーム全員で戦えた。その結果、優勝できたことを本当に嬉しく思います」

7区 白石光星(4年)
「6区の野村が区間新記録で来てくれて、(自分もという)思いが先行してしまった部分もあって、最初の5キロを突っ込んで入ってしまった。そのままずるずると行ってしまったんですけど、後半きつくなった時に、自分1人じゃないっていうことを頭に巡らせて、チームメイト1人1人を思い浮かべて、なんとか首位で持っていくことができた。走り終わった後、ちょっと胃がキリキリしてたんですけど、最終的に小河原(陽琉、1年)がゴールテープを切ってくれたので、何はともあれ良かったなっていう気持ちです」

8区 塩出翔太(3年)
「今回の箱根駅伝はまず往路の選手が2分以上の差をつけてスタートをしましたが、消極的な走りにならず、積極的に走ろうと走る前から考えてました。自分自身、全日本大学駅伝で1区を走らせてもらったんですけど、不甲斐ない走りをしてチームに迷惑をかけたので、積極的に走り切ることができて、区間賞も取れて良かったなと思っています」

9区 田中悠登(4年)
「今回の優勝は部員62名全員で掴み取った優勝だと思っています。全国的に感染症が流行する中、まずチーム全員が感染対策、遊びに行きたいっていう気持ちをぐっと我慢して、みんなでしっかりとこの箱根駅伝に向けて体調を整えることができた。それがこの優勝に繋がっているかなと思います。この1年間調子がうまく合わず、16人メンバー、10人メンバーに入れなくても、最後の最後まで0区だったりとか、最後の3000メートルタイムトライアルだとか、そういったところで一緒に戦っているんだっていうメンバー外の姿が僕たちメンバー10人にも勢いを与えてくれたかなと思います。出雲駅伝、全日本大学駅伝と負けた時は不安で、正直この箱根駅伝も迎えるのが怖かったんですけど、最高の仲間と一緒に最高の景色を見られて本当によかったなと思います」

10区 小河原陽琉(1年)
「個人としては、先輩方が駒澤大学さんとの差を広げて持ってきてくれたので、安心して走ることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 最初、気持ち早めに入ってしまったんですけど、その後しっかり粘れた。15キロの時にはきつくてきつくて仕方がなかったんですけど、チームメイト全員の顔を思い出すと自然と力が湧き出てきた。最後ゴールの前でみんなが視界に入った時には、疲れが全部吹っ飛んで、 最高の笑顔でゴールできて本当によかったなと思っています」

(原監督へ)
――今日は6区区間新記録から始まって、最後も区間賞。復路を走った選手全員への原監督の評価は?
「野村は10日ぐらい前から『56分台出します』と、とぼけたこと言ってました。そう簡単に出るもんじゃないぞと心の中で思ってたんですけども、有言実行でしたね。かっこよかったですね。最後の最後までスピードが落ちることなく、運営管理車で後ろから見てて、ものすごいやつだと。よく頑張りました。白石光星は最初入りは良かった。後ろから見ると別にペースダウンしてる感覚はなかったんですけども、中間点以降少しペースダウンしたところがあった。相手の佐藤(圭汰、駒澤大4)くんが1番余裕だったなと。しっかり襷を繋いでくれました。塩出は昨年も経験してるので、安心して運用管理車からついていました。9区の田中は終始冷静でラスト3キロをしっかりとまとめてくれました。キャプテンらしい走りをしてくれて、ここである程度優勝は確信できたかなと思います。アンカーは実は最後の最後まで、1月2日若林がゴールするまで誰にするか悩んでいました。1年生の登録していた佐藤愛斗、1年生の安島(莉玖)そして小河原と3人、誰を使うか最後まで悩みました。結果として小河原を選んだ。夏合宿の練習消化率、5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンの実績、12月の最終強化合宿での出来栄え、そして直前の体の状態。トータルで判断した。小河原を選んだ結果、快走してくれた。良い意味で1年生らしくない快走をしてくれたことに感謝しております」

(原監督へ)
――出雲駅伝、全日本大学駅伝とでは3位。箱根駅伝では選手の力をどのように引き出している?
「プログラムですよね。私も早稲田の大学院に行って論文を書いた。研究成果におけるものが現場指導と合致して、逆算メソッドの中、逆算志向の中で原メソッド、箱根駅伝必勝のメソッドという1つ体系的なものが出来上がってるというのが強みだと思います。今回仮に負けたとするならば、根底から変えていかなきゃいけないと思っていたが、無事大会新記録で優勝できた。研究の成果が現場と十分マッチングしてるなと感じています」

(原監督へ)
――今シーズンに向けてのメソッドで、何か改良した部分や継続してきた部分がある?
「基本的なメカニズムは一緒です。ただ、今までの常識を覆す固定概念を基にして取り組む、要は質と量ですよね。それを上げていくということなんです。大枠は変わらない。4期に分けて、春のトラックシーズン、夏の走り込み、秋の駅伝シーズン、そして冬のハーフマラソン。そういった期分けをしっかりして、逆算思考のもと、選手の能力を事実としてきちんと把握し、半歩先の目標設定をして、それを積み上げて作業をしていくということが基本形になります。優秀な人材が今、青山学院大学に入っておりますので、トラック練習、ロード練習、各自のジョギング、この辺りの質と量が自ずと上がってきている。結果として5000メートル、10000メートル、ハーフマラソンの成果が上がっているということだと思います。事実に基づいて半歩先の目標設定を繰り返し成長曲線に乗せていくということがベースで必要な要素。それをきちんと指導者の私が把握しつつ、学生もそれを理解しつつ、前を向いて取り組むというものだと思います」

(田中キャプテンへ)
――先ほど口喧嘩することもあったという話がありました。今年1年で1番苦労した部分や時期は?
「同期がみんなが個性が強く尖っているので、そこをまとめるのが大変でした。でもその個性を潰してしまってもこの学年の良さは出ないかなと。それぞれのやり方で、最終目標はこの箱根駅伝で勝つっていうところが共通認識としてあったので、みんなのやり方で後輩への声かけだったりとか、 走りで引っ張るだとか、そういったところをやってもらうようにした。(全員の)向いている方向がぶれないように、ミーティングっていうのは普段より多めに重ねて行うようにはしていました」

(原監督へ)
――今回が8度目の優勝で、そのうち7度往路優勝。先行逃げ切りで勝ち切るレースパターンについて
「選ばれた者が楽をしてゴールをするという文化が私どもにはない。例えば、アンカーで仮に5分も6分も開いていて、ゆっくり入って、区間10番ぐらいで笑顔でフィニッシュする。そんな走りをして恥ずかしくないのか。そんな走りだったら俺が走ったっていいじゃないかってなってくる。選ばれたものが自分の能力を最大限発揮する、そういう心構えが我がチームにはあるのかなと。さらには根の部分を言いますと、日頃から私が首根っこ掴んでこれをやれ、あれをやれって1から10まで指示をして動かすような仕組みではないので。自分の意思でトレーニングをして、自分の意思で好きな陸上競技に取り組んで大会に出ているというのがベースにある。襷をもらって、前後が仮に離れていたとしても、(順位が)後ろでも自分の能力を最大限チャレンジをしていく。そういった文化が21年かけて我がチームにはあるのかなという風に思います」

(田中キャプテンへ)
――今のチームには10000メートル27分台の選手が3人(鶴川、黒田朝日、若林)。与える影響は?
「監督の研究データにもありますけど、10000メートルのベースが上がっていると駅伝にも直結する。みんなが目指すタイム、目標設定がどんどん上がっているのかなと感じています。練習の設定ペースも、私が入学した1年目よりかなり上がっています。それも当たり前だという認識をチーム全員が持つことで、速いペースでも恐れずしっかりと走っていける、そういう雰囲気があるのかなと。そのような影響をエースの3人は特にもたらしてくれたかなと感じています」

(前回の箱根駅伝と同じ区間を走った4人の選手へ)
――前回と比べて進歩が感じられた部分と、その分析があれば教えてください
黒田
「2区に関しては、僕個人というよりは出走した選手全員に当てはまることだとは思うんですけど、前半平地の部分から明らかに去年よりもペースが上がっていた部分に大きな違いがあったのかなと思います。その要因として、少々恐縮ではあるんですが、僕自身が出した去年の記録(2区区間賞・1:06:07)から、2区にやはり主力をどのチームも置いてくるという流れが今年あったのかなと思う。その部分で、元々持っている10000メートルのタイム(が速い選手)や、総合力のある選手がきた結果、今年のようなかなりハイペースなレースと結果に繋がっていったのかなと思います。この1年をかけて自分自身の走力が上がっていたのもそうですし、去年走った経験もあって、自分の立てたレースプランに徹することができたことが(レースに)対応できた要因だったのかなと思います」

原監督
「フルマラソンも、もはや2時間3分台が当たり前になりますよね。近い将来、2時間3分台を我がチームの誰かが出してくれる。 吉田祐也含めて出してくれる。それだけ箱根駅伝で走ってる選手のレベルアップは凄まじいものがあると思います」

若林
「1番大きい成長としては、気持ちの面で焦らなかったことかなと思っています。1年間通して練習を継続できたことと、1年目、3年目同じ区間を走って優勝を経験するという自信が落ち着いて前半耐えたことに繋がるのかなと思っています」

野村
「100回大会でのスタートの時は、後ろとの差を1番気にして走っていたんですけど、今年に関しては56分台だけを気にして走った。その結果、56分台を出せば後ろも離れてくれるだろうという考えで走っていた。結果的に56分台も出せましたし、後ろとの差を広げることができたのかなと思っています」

塩出
「区間記録、区間賞を取れたんですけど、自分は去年の記録に合わせて走り始めたところ、正直向かい風が結構強いなって感じました。監督から残り1キロで区間賞争いをしてると言ってもらえて、力を振り絞りました」

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