【日体大】1500m学生チャンピオン・高村比呂飛の箱根駅伝挑戦が持つ大きな意味

【日体大】1500m学生チャンピオン・高村比呂飛の箱根駅伝挑戦が持つ大きな意味

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日本体育大学に箱根路を目指すランナーとしては異色の実績を持つ選手がいる。高村比呂飛(4年、敦賀気比)だ。

筆者が高村の目標を訊いたのは、関東インカレ(1部)1500m決勝を制し、2連覇を達成した直後のミックスゾーンだった。
「今後の目標は、前期は1500m3分38秒24という自分の顧問の石井(隆士)先生の記録を超えるのが1つと、日本選手権で表彰台に上ること。後半シーズンはちょっと長い距離、駅伝に、学生最後なのでちょっと挑戦してみようかなっていう風には思っているので……」

中距離選手が駅伝。過去例がないわけではないが、インカレチャンピオンのこの宣言に驚きが広がった。

高村は実際、夏合宿の半分を中距離で、半分を長距離ブロックでこなし、距離を踏んできた。9月には日本インカレ1500mで優勝し、インカレ二冠を達成。1500mの学生チャンピオンとして駅伝シーズンに挑んできた。

しかし、「狙う」と話していた全日本大学駅伝はメンバー入りも出走はならず。残す駅伝は箱根のみとなったが、箱根駅伝のメンバー選考として挑んだ初の10000m(12月1日、日体大記録会)は30分04秒96、「離れてからが長くて苦しい10000mだった」と苦笑いで振り返る。
挑戦もここまでかと思われたが、高村は“追試”で翌週の10000m(12月8日、東海大記録会)に出走。そのレースを組トップの29分40秒44で走り切り、メンバー入りを掴み取ったわけだ。

高村のチャンピオンらしからぬ姿勢は、メンバーの心を動かした。「学生がぜひ高村にメンバーに入ってもらいたいと。彼の人柄が箱根につながったなという風に思っています」と玉城良二監督が言うように、高村がチームにもたらしたものはもうなくてはならないものになっていたようだ。

高村はこの箱根挑戦について「中距離選手でも箱根駅伝を走れるのだと言うことを次の世代の中距離の後輩たちに伝えていきたい」と言う。高村自身も99回大会で8区に出走した中距離ブロックの先輩、廣澤優斗の姿を見て「自分もやれるんだ」と感じたことが挑戦のきっかけになっている。

1500m学生チャンピオンの箱根挑戦は、自身の可能性を広げることになるだろう。それだけでなく、挑戦そのものが中距離選手の可能性をつなぐ襷になる。高村の挑戦を最後まで見届けたい。

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