【箱根駅伝】「何度も心が折れそうに」故障が続いた駒澤・佐藤圭汰 モチベーションの源とは

【箱根駅伝】「何度も心が折れそうに」故障が続いた駒澤・佐藤圭汰 モチベーションの源とは

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今シーズンの三大駅伝は、出雲も全日本も2位。2年連続三冠を逃したあとの、ある意味では立て直しのシーズンを迎えた駒澤大学は、春のトラックシーズンの成績が振るわなかったことから苦戦も予想された。しかし駅伝シーズンに入って蓋を開けると、そう簡単には負けない駒澤「らしい」姿があった。
夏合宿を経て結束力を高め、チームはさすがの存在感を見せる裏で、ここまで出走していないスターがいる。佐藤圭汰(3年)だ。

多くの高校記録を持って駒澤大学に入学した時代を代表するスピードスターは、2024年に入っても5000mで室内日本記録となる13分09秒45をマークするなど、力を数字で証明し続けている。

その佐藤圭汰にとって箱根駅伝はほろ苦い経験が続いた。1年時は胃腸炎で出走がかなわず、初の箱根となった前回は3区先頭で襷を受けたものの、22秒差でスタートした青山学院大・太田蒼生(4年)にかわされ順位を落とすことになったのだ。追いつかれたときのことを「なんでこんなに速いんだろうって動揺して、そこからペースが乱れた」と佐藤は振り返る。「悔しいというか、なんで、みたいな。なんでなんだろうという感じでした」。改めて今考えても、力が出せなかったわけでもなければ、どうしたら勝てたのか明確な答えが出てこない。強いて言えば後ろにつく選択をしていたら、と語るにとどまった。

5000mでの日本記録更新も視野に入れて挑んだ2024年シーズンだったが、故障に悩まされた。4月に恥骨を故障し春のトラックシーズンを逃すと、6月に走り出したものの9月に再び同じ箇所を故障。出雲と全日本は回避せざるを得なかった。故障期間は「何度も心が折れそうになった」と言う。
「チームメイトや同級生がいい結果を出すのはもちろんいいことなんですけど、それが辛くて。……やっぱり自分が結果を出さないともどかしくて」。そう素直に口にした。

佐藤圭汰は「箱根が終わったら次の日から1500m、3000m、5000mの日本記録更新を目標に」と話す ⓒ水上俊介

それでも故障期間中は、故障の原因となった体のバランスを整える補強をし、フォーム改善にも取り組んできた。「内転筋や大殿筋がうまく使えないと、接地の時に膝が内側に入って、それを支えようと恥骨に負担がかかってしまう」のを、根本的に見直してきた。

佐藤を支えたものはなにか。それは強くなりたいという気持ちに他ならない。

「海外の選手の動画を見ることが、モチベーションを保つ秘訣。憧れを持つことがずっと高いモチベーションを保たせてくれる」。自分もいつかこういう選手になりたい、自分もこんな舞台で戦いたい。目標はオリンピックでのメダル獲得、見据えるのは世界だ。

「悔しさを味わった方が自分は強くなれる」。佐藤圭汰が復帰した暁には、さらに強くなった姿が見られそうだ。

そんな佐藤圭汰は、12月29日現在補欠で登録されている。故障で夏に走りこめなかったことから3区にこだわるのではなく、「監督に任された区間を全力で」とのこと。その藤田敦史監督は、区間配置に関して、主力を復路に投入することも示唆してきた。佐藤の復活、そして配置は、他チームへの脅威になるだけでなく、駒澤にとって優勝を手繰り寄せる重要なピースになりそうだ。

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