国民民主、自公へ「年収の壁」対応迫る 緊張感ゼロの自民党

国民民主、自公へ「年収の壁」対応迫る 緊張感ゼロの自民党

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12月17日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、「年収の壁」の引き上げで自公両党が提示した“123万円”という数字について意見を交わした。

自民党も公明党も自分たちが少数与党であることを十分認識していない?

国民民主党の古川元久税制調査会長は12月16日、所得税の非課税枠「年収103万円の壁」を巡り自民、公明両党が提示している123万円を上回る引き上げを求めた。党税調会合後、記者団に「この状況が続くなら協議の打ち切りも考えなければならない」と自公に対応を迫る考えを述べた。

自民と公明は12月13日の国民民主との協議で、所得税の基礎控除と給与所得控除をあわせて2025年から123万円にする案を示した。国民民主は178万円までの引き上げを求めており、自公案を「話にならない」と拒否した。12月17日に3党の税調会長間で再度協議する。

(寺島アナ)「改めて国民民主党が主張する178万円案ですが、田中さん、この辺りはどうご覧になっていますか?」

(田中氏)「178万円云々よりも、自公が言ってきた“123万円”の低さが、これ自民党も公明党も自分たちが少数与党であることを十分認識していないと思います。これ、衆院の補正予算が通過した翌日に“123万円”というのを出してきているんです。つまり特に自民党からすると衆院も取って少数与党の拘束から抜けた、という意味で傲慢になってこういう数字を出してきたのか? もう一つは補正予算に維新が賛成していますよね? あと立憲民主党もなぜか採決には応じたということで、自民党からすると国民民主党だけに頼らなくてもいざとなったら維新の前川氏が国会対応をやってますから、そういった意味ではよく知った人が向こうのトップにいるので維新を吸収しちゃうかもしれませんね。そういった事が念頭にあって“123万円”という数字が出てきたのであれば、国民民主党は戦略を間違えた可能性もありますよね。」

田中氏は今後、国民民主党がやるべき手順を語る。

(田中氏)「やはり補正予算のところで先行して“178万円”に至るような道筋を金額として入れておくべきであって、補正予算の採決に応じてしまっていますから。それを本予算でどういう風にリカバリーできるのか? “123万円”に10万円、20万円を足すくらいでは、おそらく国民民主党は乗ってこないと思うんです。自民党は明らかに緊縮財政の権化である。アベノミクスがなぜイマイチだったかというと、財政が緊縮スタンスでずっと推移していたわけです。それを自民党のなかで決めていた人、つまり日本の経済政策をダメにしていた人が今回、“178万円”を巡るような“年収の壁”の協議で向こう側のトップに出てきている。ここも自民党側がいかに自分たちが少数与党であるか、という認識が乏しいのかが分かりますよね」

田中氏は自民党の感覚に大きなズレがあると指摘。

(田中氏)「ネットで見るとかつてないほど自民党が批判されていますけど、自民党の議員のXのアカウントを見ると緊張感ゼロです。衆議院選挙は当分やる必要がないですから緊張感が完全に緩んでしまっていて、それは国民から見ると自分たちの生活を舐めているように見えると思うんです。そういったことが分からないので宮沢さんみたいな最も今出しちゃいけない人にやらせていたり、小野寺政調会長なんかも“なぜ学生が103万円まで働かなければいけないのか”なんて言ってるんですよね。それはあなた方が財政政策で足を引っ張っていたから。学生のことを言うなら借金型じゃなくて給付型で奨学金をまわすとかしろ。そもそも最低賃金とかデフレ脱却が本格的に進展すれば、遅かれ早かれ普通にアルバイトしただけでも103万円超えるに決まっているだろ、と。そういった認識もなくて“依然としてデフレを続ければいい”という発想が根っこにあるからそんなこと言うんだ、と。自民党の体たらくには目を覆いたくなる感じですね」

〈出典〉

国民民主、自公との協議「打ち切りも」「年収の壁」対応迫る | 日本経済新聞

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