臨時国会が目前。これからの日本の政治、注目点はどこ?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、11月27日の放送にビデオジャーナリストの神保哲生が出演。明日の臨時国会を前に、今後の日本政治についてコメントした。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「いよいよ明日が臨時国会。石破茂政権が本格的な船出、ということになります。きょうは神保さんに日本の政治、石破政権について語っていただければと思います」
長野智子「臨時国会に向けて神保さんが注目しているところはどこですか?」
神保哲生「本格的な国会論戦はこれからなんですね。少数与党の自民・公明の連立政権がこれから国会に臨むと。これまでは自民・公明で過半数を持っていたので両党、もっといえば自民党内の意見集約プロセスだけでほぼすべてのことが決まっていたわけです。言い方は申し訳ないけど野党とのやりとりは半分ガス抜き、セレモニーのようなところがあった」
長野「はい……」
神保「最後は強行採決すれば通るわけで。できれば強行したくないので丁寧に応じてきた。今度はいよいよ本気なんです。自民だけでは何も決まらない。国会の場でどれだけ論戦をして、結果として多数派が形成されるかどうかを国民の目の前でやらなければいけない。ただし、いまの日本の政治、政治家はオモテでそれを、堂々とできる能力なのか気力なのか体質なのかわかりませんが、それがない人が多い」
長野「ああ……」
神保「一方で国対(国会対策委員会)政治というね。裏でなんだかんだと握り合って、オモテで一応やってみせるけど実際は話がついている、という政治は55年体制下、自民党と社会党の間でも行われてきた」
長野「はい」
神保「そこでお金やいろいろなものが乱れ飛んだ。今回、石破政権がどうなるかは、正々堂々と熟議の政治を本気でやるのか、あるいは熟議がセレモニーで、『やっている感』は出すけど裏で話がついている、というのが行われるか、それはちょっとわからない。というのも石破さん、熟議は好きなんですよ」
長野「はい」
神保「原稿もなく、やりとりしたい。いま何を言っても叩かれるから若干、意気消沈している感はありますけど。一方で森山裕幹事長は国対政治の『エキスパート』じゃ言い足りないかな、『権化』のような方なんです。予算委員会の委員長で立憲民主党の安住淳さん、森山さんのカウンターパートとしてずっと国対をしてきた方です。そういう力も働くと、裏でいろいろと決めてオモテはセレモニーにしようとする」
長野「なるほど」
神保「一方で我々が見ているから、これはもう出来レースだと思ったら、それに気づかないといけない。あと報道ですよ。出来レースのくせに、いかにも本気で議論しているような報道をずっと日本の政治部はしてきた。それを我々がそろそろ見透かしましょう、そういうことだと思います」
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長野智子アップデート
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