当時のメディア・報道は異常! カンニング竹山が『和歌山毒物カレー事件』を振り返る
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時) 9月2日の放送では月曜レギュラーのカンニング竹山が、1998年に世間を騒がせた和歌山毒物カレー事件について思うことを語った。
邦丸「今日取り上げるのは、ドキュメンタリー映画ですか」
竹山「そうです。『マミー』というドキュメンタリー映画が今、全国で公開されています。僕は平日の午前中に行ったんですけど、ほぼ満席で、どこの劇場でも混んでいるそうです。これは何の映画かと言いますと、邦丸さんはよくご存知でしょう。1998年に起きた『和歌山毒物カレー事件』。林眞須美死刑囚のあの事件のドキュメンタリー映画なんですね。以前に僕は、ABEMAというネットテレビ局の『土曜The NIGHT』という生放送の番組で、この問題を3回ぐらい取り上げたんです。林眞須美死刑囚のご長男をお呼びしていろいろ話しを聞いたりして、ずっとやっていくと、この事件はこれでいいのか? っていうことが問題になっていたんですよ。でももう若い世代は『和歌山毒物カレー事件』自体、知らない子も結構いたりするんですよね」
邦丸「26年前だからね」
竹山「そうなんですよね。命を落とした方もいっぱいいらっしゃるので、勝手なことはもちろん言えないんだけど、いろんなことを考えてみると、ちょっと待てよと、この事件はこれでいいのか?っていうことが出てくるんですよ。犯人とされる林眞須美は今、死刑が確定して大阪拘置所にいるんですけども、まず、この事件の不思議なところは、直接証拠がないんです」
邦丸「はい…」
竹山「林眞須美の自白もないんです。動機も不明なままなんです。実は目撃証言は二転三転しております。そして、ヒ素を使ってカレーを毒物にした、となっているんですが、そのヒ素の鑑定結果についても、ちょっと違うんじゃないかと言う人が出てきているんですね。京都大学の河合潤教授は、当時の科警研で不正が行われたんじゃないかとおっしゃっているんです」
邦丸「え? 科学捜査をちゃんとやったはずなのに、それはちょっとおかしいって、京都大学の先生が言っているの」
竹山「河合教授は、当時の科警研のやり方なら、そりゃあ林家にあったヒ素と一致すると。今は技術も発展して細かく分析できるんだから、それをやらないと一致したとは言えないと言うんですね。それで、もう一回、裁判をやり直そうとしているんだけど、なかなかこれが認められないわけですよ。僕も個人的には、林死刑囚が冤罪か? って言われると、そこまでは思わないです。けど、いろんな状況証拠がないとか、自白もないとか、動機も不明とか、目撃証言も二転三転しているとか、いろんなことを考えると、このままでいいのかな? っていう疑問が、ちょっと湧くんですよ」
邦丸「26年前、固いニュース番組はもちろん、ワイドショーはこの事件一色になりました。町内会のお祭りに、林眞須美死刑囚がカレーを作って出した。その中にヒ素が混入されていた。亡くなった方は4人で小学生もいました。67人がヒ素中毒を発症。林眞須美という1人の女性がやったんじゃないかということになり、特に報道陣のカメラに向けて水を撒いたり、“毒婦”と言われたり、いろんな尾ひれがつきました。それを今、科学的に見ると、ちょっとおかしいと言うことになっている?」
竹山「そういうことが今、新たに出てきてて、1人の人を死刑囚にして、「この事件は終わっています」で終わっていいのかな? っていうドキュメンタリー映画なんです。で、我々も考えなきゃいけないのは、当時のメディアの報道の仕方って、今考えると異常だったじゃないですか」
邦丸「異常でした。まず、林眞須美という1人の女性を、これが絶対犯人だとしていました」
このあとは、過激な報道で世論が変わる有り様など、『和歌山毒物カレー事件』を改めて振り返ります。トークの続きはradikoのタイムフリー機能でご確認ください。
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