安野貴博「『知っていれば入れたのに』が悔しかった」 都知事選を経て思いを語る

安野貴博「『知っていれば入れたのに』が悔しかった」 都知事選を経て思いを語る

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、7月18日の放送にAIエンジニアの安野貴博が登場。自身が5位となった2024年の東京都知事選挙を振り返った。

長野智子「まず都知事選に出馬を決めたのはどういう理由で? 聞いたところによると、パートナーの方が……、ということなんですけど」

安野貴博「4月の中旬ぐらいにうちの妻がコロッと一言、『都知事選、出なよ』と言ったのがきっかけでした。ちょうどそのとき東京15区の補選をしていて。いろいろニュースになっていたじゃないですか。という中で『このシステムはこう変えられるんじゃないか』『選挙ってもっといい場にできるんじゃないか』と議論していたんです。そんなに語るなら自分でやりなさいよ、というふうに言われまして」

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「それまでは考えていなかった?」

安野「政治システムに対する興味はあったんですけど、自分が出るという発想はありませんでした。その瞬間は妻に、何言っているんだろう(笑)、みたいな感じだったんです。でも一晩寝て冷静になって論理的に考えてみると、出たほうがいいな、と思い直した、と」

長野「こういうエンジニアの方が政治に、というのは日本でも新しい動きですよね。台湾でオードリー・タンさんという方がいらっしゃいましたけど。デジタルとアナログのハイブリッドが必要だ、と。街宣もずいぶんされていました。これまでとは違う政界を見た、という感じがしますか?」

安野「完全にそうでした。学ばせていただくことが多すぎて。実際、島嶼部(とうしょぶ)に行って、どういうお困りごとがあるか聞いてみて、移動の問題とかはすごく生活に根差していて。夜、飲みに行きたくても島の北部に店が固まっていて、南部にはあまりない。運転が必要だからそっちまで行けないとか、家族が高齢で不安を覚えているけど、免許返納をしてしまうと生活が成り立たない、という話を直接いただく。すごく学びになりました」

長野「そのとき自動運転の話はされたんですか?」

安野「はい。まさに島嶼部と自動運転の相性がいいな、と気づいたのは現地に行ってからでした。需要がありますし、自動運転するのに島はいい環境なんです。インターネットは届いているし、道路のバリエーションもあまりないから、最初にインプットしなくてはいけないデータ量が少ない。最初の特区として始めるにはすごくいい場所です」

長野「安野さんがトップの“都知事”に行こうというのは、そこでないとダメというのがあったんですか?」

安野「ありました。デジタル庁の仕事をしていたこともあるんですけど、世の中、何かが進まない原因って技術の側にはあまりない。技術的には、これをこうすればできる、というのが見えている。でもトップが意思決定していないがゆえに進んでいない問題がたくさんある。これは実際に自分が意思決定をすることでよくできる、という感触があったので副知事やIT担当ではなく、都知事になることが大事だと思って立候補しました」

長野「安野さんのお話はすごく印象に残るし、選挙戦中もそうでしたが、お話に分断がないんですよ。ちなみに敏さん、安野さんの政策って、早稲田大学ですごく評価が高かったというお話ですね」

鈴木「マニフェスト研究所が都知事選の候補者9人の公約を検証したんですけど、一言でいうと安野さんの公約が断トツだったということです」

長野「こういう状況で、メディアにそれほど取り上げられなかった、ということをおっしゃっていたと思います。忸怩たるものはありましたか?」

安野「悔しかったですね、正直。選挙後、メディアに出てたくさんメッセージをいただいたんです。『安野のことを知っていれば絶対入れたのに』という。そういうメッセージがたくさん届くのがいちばん悔しかったです」

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