ラジオとオリンピック-柔道日本誕生を追う!【アーカイブの森 探訪記#3】
連日盛り上がりを見せる“オリンピック”について、文化放送アーカイブの森を探訪!
膨大にあるオリンピックに関する過去番組の中から、1964年に開催された“東京オリンピック”について興味深い番組をいくつか発見。
スポーツらしく様々な『喜怒哀楽』にちなんだ番組を紹介していこう!
東京オリンピック「柔道日本」 1963年11月11日(月)放送
まずは紹介するのは【喜】、ではなく【起】!(始まりの起)
いまとなっては当たり前になったオリンピック競技である「柔道」。柔道がはじめてオリンピック種目になったのは、なんと1964年の東京オリンピック!
歴史は遡ること1883年…
柔道の父・嘉納治五郎氏が東京下谷のお寺にささやかな道場を開き、数多くの先輩たちの努力により世界の「ジュードウ」として種目にも加えるまで発展した。
そんな日本柔道の話題や柔道の生い立ちなどを紹介している。
東京オリンピック「活躍の女子陸上」 1963年12月2日(月)放送
―三十年前の天才ランナー人見絹枝と競技のホープ依田郁子を中心に―
続いては【哀】!
日本人女性初のオリンピックメダリスト、走り幅跳びの元世界記録保持者はどなたがご存じの方だろうか。
正解は人見絹枝選手!
人見選手は持ち前の体格を生かし、アトランタ五輪で日本人女性初のメダリスト。100m走、走り幅跳びなどで新記録を樹立した。だがしかし、絶頂の中で突如病状にふせてしまい、24歳という若さでこの世を去った。
この番組は人見選手の思い出と、東京オリンピック日本代表を目指す女子陸上選手候補、依田郁子氏に着目した番組となっている。
故人を偲びつつも、この悲しみを皆で乗り越えようと、次世代エース誕生に期待し心躍らせる興味深い構成になっている。
東京オリンピック「ボクシング」
―東京五輪大会をめざす アマ・ボクシング界の努力―1963年12月9日(月)放送
お次は【怒】!ではなく…努力の【努】!
日本人初のオリンピック出場選手を目指したボクシングについてご紹介。
当時の日本ボクシング陣は、東京国際スポーツ大会でフライ・バンタム・フェザー・ライトの四階級を制覇。いよいよオリンピック出場への期待が寄せられていた。
そんなアマ・ボクシング理事長、米倉ジム社長、当時のオリンピック選手たちが登場し、ボクシング界の未来を見据えた選手たちの活躍ぶりを紹介している。
(新番組)オリンピック・アラカルト 1963年12月2日(月)放送
最後は【楽】!
こちらは少し趣向を変えて。オリンピックに対する知識を楽しく深めようと、小沢昭一・久里千春コンビのかけあいでコント風に民放29社共同制作で行われた番組!
古代ギリシャ~現代の五輪大会まで、様々なエピソードや競技種目の由来などをもとに
漫談調の架空実況放送などいろんな角度からオリンピックを知ってもらうための構成になっている。
作者(脚本)は安部徹郎と向田邦子、監修はスポーツ評論家・川本信正氏が担当。
以上、4つの番組を紹介しました!
まだまだ紹介したいオリンピック番組は沢山ありますが、昔も今もスポーツには様々なエピソードが生まれておりとても調査し甲斐がありました!
今後も興味深いアーカイブを探訪していきます!お楽しみに!
執筆:郷津隊員
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