静岡放送・野路アナが明かす!ギャラクシー賞受賞番組の裏側
毎週日曜午後2時~放送している「おとなりさんday」。
23日(日)の放送は、「教えて!全国ラジオスター」のコーナーに、先日の第61回ギャラクシー賞・ラジオ部門で大賞を受賞した静岡放送の野路毅彦(のじ・たけひこ)アナウンサーが登場!
受賞した番組「方言アクセントエンターテインメント~なまってんのは、東京の方かもしんねーんだかんな~」の制作の裏側などについてたっぷりと伺いました。
【ギャラクシー賞を受賞した番組「方言アクセントエンターテインメント~なまってんのは、東京の方かもしんねーんだかんな~」】
ギャラクシー賞とは、放送批評懇談会がテレビ・ラジオの優秀な番組などに贈るもの。2024年の「ラジオ部門」では、野路さんが制作とパーソナリティーを担当したこの番組が対象を受賞。日本語のアクセントに注目し、「静岡県内の一部や栃木県などの人が話す、アクセントに決まりのない言葉こそが元々の日本語で、今標準語とされる東京の言葉の方がなまったものかもしれない」という説を様々な例を挙げながら考えていくもので、調査・取材を重ねた上で、方言の研究者や芸人さんと一緒になって、専門的な話を分かりやすく伝えた点が評価された。
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野路アナ「これ言っていいのか分からないんですけど、この企画は最初テレビで企画書を書いていたんです。で、ボツになって忘れていたんですけど、一昨年断捨離したときにその資料を再発見して、ラジオだったらできるかなと思ってラジオに拾ってもらったんです」
山根「え~!そうなんですか!」
坂口「今回の番組でキーポイントになってくる“無形アクセント”とは何ですか?」
野路「例えば、渡る橋と食べる箸のアクセントがどっちがどっちか定まっていない、一本調子になるようなアクセント。栃木・茨城・福島・山形・宮城の南部、長崎から佐賀・熊本・福岡・宮崎など全国各地に点在している。国語学会の主流は、京都・大阪のアクセントが東京のアクセントに単純化して、さらになまって無形アクセントになったという説。今回私が取り上げた説は、もともと無形アクセントが日本中にあって、大陸から入ってきた京都・大阪のアクセントが他の地域にも影響を及ぼして東京のアクセントになった。その影響を受けずに残ったのが無形アクセントだというものなんです。」
坂口「それをラジオ番組にするまでにかかった期間はどれくらいですか?」
野路「アナウンサー歴は33年ですが、こういう番組を作るのはまったくの初めてだったんです。ディレクターに相談したら、『1時間の番組作るんだったら3時間分の台本をまず書いてきてください』と言われました。そうこうしていると春に思いついて夏になり、冬に取材に行きスタジオ収録が年明け、春に編集したので1年ぐらいかかりましたね」
山根「やっぱりギャラクシー賞をとるような番組を作るのは大変なんだね」
坂口「作る上で一番苦労した点・意識した点は何ですか?」
野路「コンプレックスに関わることなので、無形アクセントを話している人に出てくださいとお願いしても断られたり…何とか口説いて出て頂いた。やっぱり言葉の問題はデリケートだなと感じました」
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他にも、野路さんがアナウンサーになったきっかけなど色々とお話を伺いました。
そんな野路さんにとってラジオとは…「私の死んだおばあちゃん」。
おばあちゃんのような包容力をラジオに感じる、とのこと。
今回の番組もラジオだからこそできたものだということでした。
「ギャラクシー賞をとるためにラジオをやっている」と言っていた山根さん。(もちろんそんなことはないですよ!)
野路さん曰く「長くやっているとチャンスが回ってくる」とのことですので…頑張りましょう!
文・坂口愛美
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