日本とも「すごく似ている」イギリスの政治状況とは?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、6月19日の放送で毎日新聞論説委員の小倉孝保が、日本とも似ているという、イギリスの政治状況について解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「日本でも、いつ解散総選挙なんだ、とずっと言われていますがイギリスでは現在、下院の総選挙が行われているんですね。スナク首相がイギリス議会の下院を、5月30日に解散しました。7月4日の総選挙に向けて、選挙期間の真っただ中です」
長野智子「スナク首相は、なんで下院を解散したんですか?」
小倉孝保「あそこの任期は5年で、来年の1月までには解散しないといけなかったんです。イギリスの場合、クリスマスは完全に休んでしまうので、10月か11月だろうとは言われていました。でもいま政権を持っている保守党の支持率がかなり低いんです。日本の岸田首相の政権より少し高いぐらいだと思います。インフレの収まり傾向が見られたんです。ずっとインフレが厳しくて、この状態で選挙すると必ず負ける、と言われていた。それが収まる気配があったからスナクさんは恐らく『ここだ』と思った」
長野「なるほどね。ほかの国の話ですけど、日本でもありえそう」
小倉「すごく似ているんですよ、イギリスと日本の政治状況って」
長野「保守党の支持率が低い、とのことですけど、選挙の情勢はどんな感じなんですか?」
小倉「保守党が20数%、対する労働党が40数%の支持がある。このまま選挙すれば、恐らく14年ぶりの政権交代になるんです。2009年に政治資金のスキャンダルが起きて、その前の2008年にリーマンショックが起きて経済がダメになって、2010年の選挙で保守党が政権を奪還した。以降、ずっと勝ち続けてきた。それが今回の選挙では、さすがにダメなんじゃないか、という。なんでこんなときに選挙するの、と保守党の議員は恐らく思っています」
長野「加えてBBCが『とんでもないオウンゴール』と書くようなことが起きたみたいで」
小倉「そうなんです、スナク首相が。6月6日がノルマンディー上陸作戦の記念日で、毎年式典はあるんですけど、今年は80周年。そういう区切りのときには各国の主だった首相、リーダークラスが集まってくる。ノルマンディーはフランスですから、フランスの大統領はもちろん、アメリカからバイデンさん、ドイツからショルツさんらが行っている。ノルマンディー上陸作戦って史上最大の軍事作戦で、80周年、現役の人が生きている最後になるんじゃないかと言われています」
鈴木「ああっ、そうか」
小倉「二十歳で参戦している退役軍人が今年100歳ですからね。僕が70周年で取材したときも、ほとんどいなくなるんじゃないかと言われていた。この80周年は車椅子で参加している人が何人かいたんです。でもあと10年は難しいと思います。大きな式典で、現役の人が出席している。連合国側のアメリカ、イギリス、カナダ、フランス辺りにとって、僕らからは想像できないぐらいの大切な式典だった」
長野「大切ですね」
小倉「イギリスのスナク首相は、イギリスの式典には出席したんですけど、そのあと国際式典に姿を見せなかった。なんだなんだ、と。労働党の党首はいたのに。調べたらどうやら、民放のインタビューに重なっていたみたいで」
長野「そんな大事なインタビューだったんですか?」
小倉「なんのインタビューだ、ということも話題になっています。スナク首相が言うには、解散を決めてから入った予定ではなく、前から予定は入っていたというんですけど、ノルマンディーはもう決まっている話で。なんでその時間にインタビューなんか入れるんだ、と」
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