「熱中症特別警戒アラート」の運用スタート!世田谷区の「お休み処」(クーリングシェルター)では…
文化放送と全国32局の制作協力で、月曜から金曜の午後5時からお送りしている「ニュースパレード」
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。
4月28日、福島県伊達市では32.3度、関東でも群馬県桐生で31.4度、埼玉県鳩山町で31.0度など関東でも今年初の真夏日となりました。
暑さに体が慣れていないこの時期、特に熱中症には要注意です。
ここ数年、熱中症で亡くなる方は年間1000人を超えていて、記録がある中で最も暑い夏となった去年2023年は1500人を超える方が亡くなりました。
(↓ 政府広報オンライン HPより)
過去に例のない危険な暑さが予想された際に発表される「熱中症特別警戒アラート」の運用が24日に始まりました。
「熱中症特別警戒アラート」は、これまで運用されてきた「熱中症警戒アラート」の一段上にあたる情報で、発表は県単位。
都道府県内のすべての地点で、湿度や気温から算出された「暑さ指数」が35以上と予想された場合に、前日の午後2時頃に発表されます。
過去「特別警戒アラート」に該当するほどの暑さとなったことはありませんが、発表されれば「最大限の熱中症予防行動」が呼びかけられます。
また「特別警戒アラート」が発表されると、市区町村は、事前に指定した冷房を備えた公共や民間の施設を「クーリングシェルター」として、一般に解放することになります。
東京・世田谷区では、いち早く2011年から「クーリングシェルター」を「お休み処」という名称で開設していて、この夏も263か所の設置が決まっています。
冷房のきく「まちづくりセンター」や区役所など公共の施設の他、薬局や接骨院、銭湯も「お休み処」として、黄色いのぼり旗や垂れ幕を出し、飲料水や塩のタブレットを配るなどするとのことです。
このうちの一つが「蘆花公園北口名倉堂接骨院」です。
接骨院内にはウォーターサーバーもありました。
世田谷区柔道整復師会 会長でもある塩部泰(しおべ・やすし)院長は
「接骨院は敷居が低い医療機関。何かお役に立てればと2011年の取組開始から始めた。人が集まる所が協力して進めていければ。水だけでなく塩分の摂取も大事と啓蒙していきたい」と話していました。
去年はのべ10万人が利用したという世田谷区の「お休み処」は、今年も6月17日から9月30日にかけて開かれる見込みです。
尚、前述のように過去「特別警戒アラート」を出す暑さになったことはありません。
2020年8月11日、埼玉県で8つの地点のうち3つ(さいたま市・越谷市・久喜市)で35(四捨五入)、残り5地点が34という「特別警戒アラート」の基準に迫った例はありますが、「都道府県内の全ての地点で35以上」はまさに「過去に例のない暑さ」です。
因みに、東京都の観測地点は、東京・八王子・府中・練馬・青梅・小河内・江戸川臨海の7地点の他に、島しょ部の伊豆諸島(大島・三宅島・八丈島)小笠原諸島(父島)の4地点。島は海に囲まれているので気温が上がりにくく、全てで35以上となることは相当稀有な状況かと。
いずれにしても「熱中症警戒アラート」(府県予報区内のどこかで「暑さ指数」33以上が予測)や「熱中症特別警戒アラート」が出ていなくても、熱中症になることは当然あります。
今から「熱中症対策」の備えも進めておきましょう。
気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子