日本の最低賃金 世界に見劣りも「悲観するべき数字じゃない!」

日本の最低賃金 世界に見劣りも「悲観するべき数字じゃない!」

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3月19日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、日本の最低賃金の低さについて意見を交わした。

これから最低賃金を上げていく方向であれば、それほど低い水準じゃない!

経済協力開発機構(OECD)のデータから内閣府が各国の最低賃金を比べたところ、日本の低さが顕著となった。

2022年の正社員ら一般労働者の賃金中央値に対する最低賃金の比率は日本が45.6%と主要国を下回った。

内閣府の分析によると一般労働者の賃金中央値に対する2022年の最低賃金の比率は、フランスと韓国が60.9%、英国は58.0%、ドイツは52.6%だった。

このデータは国際的に最低賃金の妥当性を確かめるために使われる。

欧州連合(EU)は22年10月に「最低賃金指令」を採択し、加盟国が最低賃金を引き上げる際の目安として同水準で60%を目指すと決めた。一方、日本の最低賃金は厚生労働省の審議会などの議論を経て決まる。

「日本の最低賃金が世界に見劣りしていることについて、田中さんこの数字をご覧になってどう受け止めますか?」(寺島アナ)

「最低賃金を上げていこうっていう機運は政財界ともにあって組合なんかもあると思うので、それを含めて言えばそんなに悲観するべき数字じゃないと思います。2012年は38.3%で、2022年が45.6%です。2024年も大きく上げていくのであれば、10年かからずにドイツくらいに追いつくんじゃないでしょうか? これから上げていこうっていう方向であれば、それほど低い水準じゃないと思います。なぜこれだけ低いかというと、デフレを引きずっている負の遺産が現状まだ影響していると思います。」(田中氏)

政府は2030年代半ばに最低賃金額が全国加重平均で1500円の実現を目指している。連合が発表した24年の春季労使交渉の1次集計で賃上げ率は平均5.28%だった。

「賃上げ機運を維持するためには、最低賃金の底上げも重要になるんですね」(寺島アナ)

「最低賃金を上げることによって、中小企業の経営者は若い人を追加で雇う動機付けが低下すると言われてきたんですが、それを回避するためには経済全体が安定的に成長していることが重要です。今くらいの成長だと足りないと思うんです。もう少し力強い成長が必要で、そのためにはインフレ目標2%を安定的に達成する経済環境を作らなきゃいけないんですけど、今は黄色信号くらいになっていますね。先ほど『おはよう寺ちゃん』の影のコメンテーターであるリスナーさんのコメントを見たら、テレビのワイドショーだと“日銀すばらしい!!”ってなっているらしいですよ?」(田中氏)

「もともと原因があって対策をしている、ってことですからね」(寺島アナ)

「それが普通であって、不況で金融緩和やらなかったらそっちの方が異常ですから。ワイドショーのコメンテーターの人たちはそれが正常だと思っているんですかね?」(田中氏)


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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