ラブソングにおける意味も激変!? 「電話」の曲で当時を懐かしむ

ラブソングにおける意味も激変!? 「電話」の曲で当時を懐かしむ

Share

3月10日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「電話」でした! 1876年のこの日、グラハム・ベルが電話による会話に初めて成功した日だったことにちなみます。

鷲崎健「(グラハム・ベルの電話の)第一声は『ワトソンくん、ちょっと来てくれ。用事がある』。これを言った日とされています。『電話』というテーマで、いくつかあるんですけど、こちらからお届けしましょう!」

♪「リカちゃん電話のテーマ」/香山リカ、いづみ

鷲崎「どこが終わりなのかわかりづらかったと思います(笑)。『リカちゃんでんわ』は皆さん、ご存じでしょうか……? 1968年10月に始まったサービスだそうです。1967年にタカラ本社に『リカちゃん、いますか?』と、とある女の子から電話がかかってきたのがきっかけで。当初はスタッフが対応していたんですって。それがテープによる自動応答になるぐらい、問い合わせが多かった……ということなんだと思います。

リカちゃんでんわサービスがありますよ、というCMがあって、子供たちがかけまくって、パンクして1回中止になってしまった。『おうちの人に断ってから』という一言が添えられるようになったらしいですね。時間や時期によってコメントが変わるんですけど、なんとまだリカちゃんでんわサービス、続いております! そして私、かけてみました!」

鈴木純子「どうでしたか!?」

鷲崎「数日前にかけた状態では『3月といえばリカはやっぱりひな祭りね!』」

鈴木「お~っ、ちゃんと季節感がある!」

鷲崎「ママのチラシ寿司にはエビ、タマゴ、レンコンが入っていて。ハマグリのお吸い物も食べたと。5人姉妹の長女なんですね。4人の妹たちと五人囃子ごっこをしたと(笑)」

鈴木「そんなおもしろいことを!?」

鷲崎「『リカが笛を吹いたのよ』と言っていました(笑)。季節によってリカちゃんでんわ、中身も異なりますので、皆さんも調べていただければと思います! 続きましてこちら、グッと甘い声の、こんな感じの曲です」

「085907」フランク永井

鷲崎「フランク永井さんの甘い声で素敵なラブソングかと思いきや、よくわからないことをずっと歌っていらっしゃいます(笑)。

NHKの『あなたのメロディー』という、1963年から始まった、アマチュアの方が作詞作曲して応募した曲を取り上げてプロの歌手が歌う番組があったんです。この歌はフランク永井さんが歌っているんですけど、『与作』『コンピューターおばあちゃん』なんかもこの番組からなんですね。

『085907、はいはい、こちらサイハク』、このサイハクの意味がわかんないですよね。調べてみて、たぶんなんですけど、鳥取県西伯郡の電話交換手の歌なんです。当時の電話事情を調べると、市外間でのダイヤル化というのが進んで、市内じゃなくて市外にかける量が増えてきた。市外へダイヤルで通話できる新しい公衆電話が望まれるようになり、昭和40年、これらの機能を持つ大型赤電話の試作機が東京駅に設置され、翌41年6月から正式に採用されたと。市外電話のみ交換手が必要で。片方が市外用でかけても、もう片方は受けられない、ということなんだと思います。……謎だらけな曲ではありました。

続きましては知っている人は知っている、懐かしい人は懐かしい。『それは歌じゃない』という方もいらっしゃると思います(笑)。YELLOW MAGIC ORCHESTRAのアルバム『サーヴィス』から、スーパー・エキセントリック・シアターで、コント5」

♪「S.E.T.」/Yellow Magic Orchestra

鷲崎「Yellow Magic Orchestraの8枚目のアルバム『サーヴィス』に収録されています。前作『浮気なぼくら』で散開予定だったんですが、散開記念アルバムとしてリリースされたそうです。YMOと音声コントといえばスネークマンショーが有名ですけど、S.E.T.(スーパー・エキセントリック・シアター)も参加していて。高橋幸宏さんのオールナイトニッポンに三宅裕司さんが参加していたことから……という話らしいです。

スネークマンはとてもシニカルで東京的、80年代的でした。対してS.E.T.はベタでわかりづらいところが少ないというか。やはり『スネークマンと違う』なんて言われましたが、スネークマンは伝説になり、伝説の中に閉じ込められる存在になり。スネークマンのようなもの、というのはスネークマンしか成し得なくて。

そういう中で三宅さんはおもしろいコント、喜劇というものにこだわり続けて後身を生んで新たな広がりを生んで、いまでも続けていらっしゃる。どちらがいいとか悪いとか、そういうことではない。続いてはこちら、聴いていただきましょう!」

♪「あなたを・もっと・知りたくて」/薬師丸ひろ子

鷲崎「1985年のシングルで、これ(音声)は1987年に行われた1stライブの模様ですね。日本電電公社の民営化後、NTTキャンペーンというのがあり、そのCMソングとなっていました。当時、104(電話番号案内)にかけたら流れましたね、待ち受け音として。

電話はラブソングの優秀な小道具だったのが、時代や意味合いが変わって。『もしもし、私、誰だかわかる?』って、いま聴くとホラーですもんね。でも昔は誰だかわからないのが当たり前だった。

何しているの、どこにいるの、って、いまならスマホで『どこにいんの?』と聞くのは当たり前ですけど。どこにいるのかわからない状態なんていうのは、当時は家にかけているわけだから、電話がつながっていないいまはどこにいるの、という意味でした。でもいまは言葉だけだとどっちにとればいいのかわからない。いろんなものが変わったけど、電話というのは特にラブソングの中での意味合いが変わったな、と感じる曲です。じゃあ続いて!」

♪「634-5789」/ウィルソン・ピケット

鷲崎「ダイナマイト・ソウル、ウィルソン・ピケットのヒット曲ですね。映画『ブルース・ブラザーズ2000』でも歌っていました。この曲がすごく好きで、20年ほど前ですけど、勝手日本語訳をつけて歌っていたことがあります(笑)。

そのときの歌詞を思い出すと、キャッチホンサービス加入してないのさ、深夜なら通話料もお得さ……と歌っていましたね。いちばん最初にメモリーしておいて、テレホンカード山ほどあげるぜ、みたいな。

……じゃあ今日は最後、本当に短いんですけどもう1曲だけ聴いてください!」

♪「まほろさん、留守電コール」/川澄綾子

鷲崎「……ね? こういうの昔ありましたね、作品のCDとか買うと。これは『まほろまてぃっく』のまほろさんの留守電コール。留守番電話のコールがデータとして入っている、というのがいっぱいあった。別に残さなきゃいけない文化じゃないかもしれないけど、こういう文化があったなあ、という感じでございます」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

NOW ON AIR
ページTOPへ