能登半島地震 七尾市取材「一番困ることは水、トイレが使えないこと」

能登半島地震 七尾市取材「一番困ることは水、トイレが使えないこと」

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毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
明日1月14日(日)の放送は、石川県能登の中部に位置する「七尾市」の状況をお伝えします

2024年1月1日石川県志賀町で最大震度7を観測し、北海道から九州地方にかけて震度6~震度1を観測した「能登半島地震
マグニチュード7.6という、阪神淡路大震災の7.3より大きく、東日本大震災の9.0に次ぐ規模の大きな地震です。
石川県の発表によりますと、1月13日時点で亡くなった方は220人、安否不明者は26人にのぼっています。

私は1月7日から9日にかけて石川県七尾市、内灘町、金沢市を取材しました。
金沢市の中心に近い県庁周辺の道路も隆起や陥没が見られました。

七尾市に入ると、古い瓦屋根の建物は倒壊し、観光スポット「一本杉通り」では薬局の1階部分がつぶれ、多くの建物が窓ガラスが割れるなどの被害に見舞われていました。
断水も続いています。




一本杉通りにある「高澤勇吉商店」高澤勇平さん75才にお店の中を見せていただきました。
二つの蔵が完全につぶれてしまい、どこから来たのかわからないというラグビーボールより大きな石が二つありました。


取材中にも緊急地震速報が流れましたが、揺れが頻繁にあり、現在は公民館に避難されているとのこと。
「にっちもさっちもいかん。今は水道が来てほしい」と話していました。
息子さんからは危険なので店を離れるよう勧められているそうです。

七尾市の避難所「矢田郷コミュニティセンター」を取材すると、外には仮設トイレやトイレトレーラーも設置されていました。
責任者の飯田伸一さんは「食料や支援物資はある程度整ってきて、今は皆さんお風呂に入りたい、シャワーを浴びたいという声が上がってきた。そういう体制を作らないといけない。一番の問題というのはトイレの問題」と話して下さいました。
ご自身の家も被災されているのに、休みなしで対応されています。
本当に頭が下がります。
仮設トイレの汚物は七尾市の処理場は使えないので、ピストンで金沢・加賀まで運んでいるそうです。
ほとんどの被災者の方が「水が出ないことが一番大変、トイレが困る」と話していました。




1月10日にこの避難所に電話で伺ったところ、企業(ソフトバンク)が仮設シャワー3基を設置してくれたそうです。
また、被災地では不審者情報、空き巣や車上荒らしもある中、この避難所では1月10日から移動交番が設置され、県警が常駐するようになったとか…。
こういう状況での犯罪は本当に人として許せません。
地震で家が壊れドアも施錠できなく物騒だという声も多く、仮設トイレに入るわずかな時間に車の鍵をかけていなかったため、車上荒らしに遭ってしまったという話も聞きました。

また大きな被害を受けた七尾市・和倉温泉では、私が取材した7日は全ての温泉旅館が休業していました。




創業120年の「ホテル海望」の予約担当のさかもとさんは
傾いた所をゆっくり調べるにはまだ時間がかかると思われます。復旧のめどはわかりません。半年…1年でしょうか?なんとも申し上げられません。この地域の人全員が経験したことがない災害。でも私どもだけではない、この能登地区輪島市や珠洲市の方はもっともっとご苦労しておられます。今後当分営業できないので、とご予約いただいていたお客様にお伝えすると、みなさんから『がんばってね、応援している』と温かい言葉をいただいています」と…。

明日14日の「防災アワー」聞き逃した方はradikoでお聴きください。
次回1月21日は、内灘町の被害についてお伝えする予定です。

気象予報士・防災士 気象庁担当記者
伊藤佳子


 


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