佐藤利明と振り返る八代亜紀・中村メイコの記憶。そして特撮ソングのチカラ

野村邦丸アナ「まずは特撮ソングに行く前に、2023年の年末に八代亜紀さんが73歳でお亡くなりになりました。これはもうリスナーの皆さんもご存じの通り、八代亜紀さんの元気な姿を見てないな、と。この時は闘病・静養していて、いずれまた戻って来るものという風に、みんなが思っていたんですが……」

佐藤利明「僕も思ってました。僕も八代さんとは何度かインタビューさせていただいたりして、直近で言うと2018年かな、石原裕次郎さんとのデュエットをテーマに、八代さんの事務所で1時間半ぐらい、色んな話を伺って。その時に八代さんがおっしゃっていたのは『私はね、演歌歌手とよくいわれるけど演歌じゃないのよ。私たちの時代は流行歌手なの。演歌っていうのは後から出てきたのよ』と。そういうね、ヒストリー感をきちっとおさえながらお話をしてくださった。彼女を僕は『シンガー』と呼ぶことにしていますね」

邦丸「ジャズも歌われたし、ブルースも歌われたし。とにかく歌が好きで好きでっていうことをおっしゃってて。今、バックにかかっているのは八代亜紀さんの『もう一度逢いたい』。これは私が大学時代だから40年以上前か！」

佐藤「1976年9月25日に発売された17枚目のシングルですね」

邦丸「これよく歌ってたんですよ！」

佐藤「山口洋子さんの歌詞ですよ。いい歌ですねえ」

邦丸「今日はもうひとつ、2023年の大晦日に亡くなられた中村メイコさんの思い出も」

佐藤「中村メイコさんは今から10年前に、ちょうどこのスタジオ（文化放送第2スタジオ）、吉田照美さんの『飛べ！サルバドール』にゲストでお越しになった時に、僕の出演日だったので、たまたま『たまり』でずっとお話をして、意気投合して。そこから色々やりとりをするようになって、で、僕がエノケンさんとかロッパさんとか柳家金語楼さんが大好きで研究していることを知ったら、メイコさんが『あら貴方、そういうのに詳しいの？』ってとこから始まって、武田鉄矢さんのBSテレ東『昭和は輝いていた』という番組で、メイコさんと神津善行先生と僕の3人で2時間の特番をやったり、柳澤愼一さんとメイコさんと僕で『戦前の喜劇映画を語る』みたいな番組をやらせていただいたりして、随分この10年間でご一緒させていただいて、色んな話を伺いました」

邦丸「私もスタジオでご一緒させていただいたことがあって……私は中学時代に他局ですけど、ニッポン放送が『青春ホットライン』ていう、黒田征太郎さん、高橋基子さんがカウンセラーになって、結構エグいなって話を、黒田さんが叱り飛ばすという。そのTBSラジオ版が『中村メイコの私のロストラブ』っていう番組で。やはり10代のリスナーの、特に性の悩みなんかに答えてる。その話をメイコさんにした時に『あなたその時何年生だったの？』『中学生』『中学生だったら頭いっぱいになったでしょう？』っていう話をしてたのを覚えてて、そこから色んな話をして。あとね～、昭和の終わりから平成時代で、著名人・有名人、特に芸能界の方が旅立って行くと、その葬儀には必ず森繁久彌さんと中村メイコさんがいらっしゃって、そこでインタビューを受けているっていう。それをやたら覚えてるんで、その話をしたら『しょうがないのよ！　顔が広いから』って言って」

佐藤「メイコさんはだって昭和12年に2歳でエノケンさんの映画でデビューしてる。そこからエノケンロッパさん金語楼、で、戦後は森繁久彌さんが台頭してくる。で、美空ひばりさんとみんな、昭和のスターと共演し、お友達で居て、色んなことを学び、それを伝えることがご自身の役割だってことで、僕にたくさん色んな話をしてくださいました」

邦丸「八代亜紀さん、中村メイコさんが残された足跡っていうのはあまりにも大きいんでね、これからも語り継がれたり、歌い継がれたりしていくんでしょう」

この後、佐藤利明プレゼンツ「新春スペシャル・特撮ソングのチカラ」では、1964年放送の「忍者部隊月光のテーマ」（中シゲヲによるアレンジ）と、1955年のゴジラ映画第2弾「ゴジラの逆襲」タイアップソング「うちのアンギラス」（青木はるみ・野澤和正）をおかけした。ご興味のある方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。

「くにまる食堂」は平日朝11～13時、文化放送（AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko）で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。