【第100回箱根駅伝】「やっぱり楽しくやることが1番」城西大学・櫛部静二監督 レース後インタビュー

【第100回箱根駅伝】「やっぱり楽しくやることが1番」城西大学・櫛部静二監督 レース後インタビュー

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第100回箱根駅伝。総合3位、大学史上最高順位で終えた城西大学・櫛部静二監督のレース後のインタビューです。

――3位という過去最高の順位を出せた要因は?
「4年生。特に箱根駅伝は山が中心だと思うので山本唯翔(4年)の存在。あとはキャプテンの野村(颯斗、4年)も1区でいいスタート切ってくれました。この2人が中心となって下級生たちも一緒になってやってきたことが要因だと思います」

――タイムも過去最速だったが、練習で新たに取り組んだものはあるか?
「常々従来のトレーニングを変えていきたいと思っていて、トレーニングに対する根拠のある内容を求めて、他の大学さんがやらないような事も取り組んできました。そういうところは一つ違いがあるのかなと思っています。例えば低酸素トレーニング。私個人が選手時代に高地トレーニングをやりきれなかったのと、これからの時代は高地トレーニングや、今では科学が進歩して低酸素の環境を作ってトレーニングすることっていうのは、大学駅伝だけじゃなくて世界を考えたときにマストだと思っています。なので陸上界を変えるためにも、個人的にやってみたいということで取り組んできました」

――低酸素トレーニングはいつから?
「今から10年くらい前ですかね。構想は29歳の時からなので24年ぐらい前なのですが。始めは小さなポータブルの低酸素を買って自作で低酸素室を作ってというのを繰り返していたのですが、箱根駅伝で考えれば一人じゃダメで10人、それ以上となるので、少しずつ数を増やしてきて、今はトレッドミルが11台ぐらいですね。それと古いのが3台ぐらいあります」

――今日の復路は単独走が多かったが、一人で走れるようにというのは追求していたことか?
「そこはなかなか追及するのが難しいところなんですよね。選手自身がもともと強い選手じゃないので、集団の力で強くするということで一緒になってやって来ました。だから単独走はやはり難しい場面がすごくありました。特に後ろも4分差、前も見えないっていうような状況があったので、そこはちょっと苦しかったですね」

――3位への確信はあった?
「個人的には確信まで行かずちょっと勇気の部分もあったんですけど2022年の11月ぐらいですかね。99回大会でシードを獲って、1年かけて期分けをしっかりしてトレーニングしていけば、3番はいけるかなと思っていて、それが実際にできたのかなと思っています」

――今回のレースで3位いけるなっていうのは最初から思っていたのか?
「そうですね。一番の軸は山の山本唯翔ですね、ヴィクター・キムタイ(2年)もそうなんですけど。特に99回大会を3年生以下で9位になった時の選手たちが4年生になったので1年かけて彼らをそれぞれ区間に当てはめて、タイムを同じ条件で考えると計算上はそこで3位になれるって思って、なんなら往路優勝もできるかなと思っていました。でもちょっと計算と違ったのはうち以上に青学が速かったことです。ただ、うちとしてはもう狙い通りで、本当に思うように出来たかなっていうのは今回の正直な感想です」

――総合3位っていう目標を初めて選手たちに伝えたのはどの時期にどういった状況で?
「99回大会の前の11月ですね。そのためにシードを獲って次は特に4年生は最後の年になるのでその年に100回大会は3位を目指そうということで、勇気が必要だったんですけどみんなの前で言った記憶があります」

――3位を達成できた選手たちにどういった言葉をかけてあげたいか?
「今年のキャッチコピーが『もっと速くもっと強くもっと楽しく』で、最後の楽しくっていうのも強調して言ってきたので、そこを一緒にやれて本当に楽しかったですと伝えたいです」

――終わったばかりだが次の目標は?
「選手に対して簡単に挨拶にしたんですけど、3位になると求められるのが優勝ですが、学生スポーツってサイクルが早く、同じ選手がずっといるわけじゃないので3年生以下のこれからの頑張りが必要だよねっていうことと、実際3位になったことは君らの力なのでまた先輩から受け継いだものをこれからに活かして、次のフェーズに向けて強くなろうという話はしました。トレーニングはそうなんですけどいわゆるマインドの部分も新しく入ってくる選手に継承してもっと強くして結果を出していかないといけないかなと思います」

――山が大事だと仰っていましたが、6区の久保出(雄太、3年)選手の走りをご覧になってどうでしたか
「今日はテレビ越しでしかほとんど見られなかったんですけども、上りで結構力を使ったみたいでそこの配分がちょっとうまくいかなかったのかなと思っています」

――久保出君を6区で起用した理由は?
「一人でもできる部分。6区は運営管理車が外れる場面が1番長いから、彼は意思が強いですし信念を持っていて、私がいなくても走れるっていう選手だからですね。もちろん適性もありますね。マルチで、上りもそして悪い環境でも走れる選手なので」

――久保出選手が事前取材の時に『監督に6区走るアピールをしている』とおっしゃっていましたが、監督はどう見られていたか?
「実際に使うかは別としてそのアピールはしっかり受け止めていました。ただ実際に彼の実力があったから6区にいけたのかなと思っています」

――3位になったことでこれまで以上にマークされるようになるが
「それはうれしいことなので、それを原動力に負けないようチームを作りたいです」

――最後はひやりとした?
「後ろから東洋が迫ってきていたのでこれはちょっとギリギリだなと思ったんですけど、後ろからきていることを伝えたら少しペースアップしました」

――「楽しく」というモットーの理由
「私自身も競技をやってきて、箱根はどちらかというと悔しい思いをすることの方が多かったです。ただでさえ単純できついトレーニングばかりなので、モチベーションを保つためにはどうしたらいいんだろうと考えたときにやっぱり楽しくやることが1番だと思いました」

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