【箱根駅伝】「今回は自分が背負う番」国士舘大学・山本雷我主将が箱根の山に挑む

【箱根駅伝】「今回は自分が背負う番」国士舘大学・山本雷我主将が箱根の山に挑む

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3年連続5区山上りに挑む国士がいる。山本雷我だ。名前の由来は「雄のライオンと雌のトラの子供ライガー」だという。
11月には仮想箱根5区といわれる「激坂最速王決定戦」登りの部で優勝を飾った。山上り一本にかけてきた箱根での目標は「区間5位以内」と、山の神候補の一角をも食うつもりだ。

山本雷我が今回の箱根に向けて口にする言葉がある。「背負う」。その想いと覚悟の裏には、過去出走した2度の箱根駅伝があった——

出走した2度の箱根を振り返る前に、1年目のことに触れておきたい。1年目、山本は16人のメンバーには入らず、箱根では4区を走った木榑杏祐(当時3年)の給水を担当した。その時に「次は自分が5区を走るので、4区、5区で襷をつなぎましょう」と約束し、箱根への決意を新たにしたそうだ。さらに、2年生の夏合宿前には木榑に、「一番身近にいた努力家についていけば間違いない」とジョグなども一緒にやりたいと頼み込んで、その姿勢を学んできた。

そして迎えた自身初の箱根駅伝。「すごく緊張しました」と振り返りながらも、心に残っていることがあるという。
「1区から4区を走った木榑先輩、ヴィンセント先輩、荻原先輩、三代先輩――4年生の先輩たちが自分をいかに楽に走らせるかと話していたことは後から知ったんですけど……シード権が見える位置で持ってきてくれて、想いが伝わりました」
さらに、「芦ノ湖にフィニッシュしたときに木榑先輩が待っていてくださって、『よくやったよくやった』とずっと言ってくれていて、泣きそうなくらい嬉しかったです」と目を潤ませた。

3年目、前回の箱根も先輩に救われたと言う。
「1 週間前に体調不良になってしまい、不安なことが多かったですけど、綱島先輩、清水悠雅先輩たちが5区まで襷をつないでくださいました。不安であることを4区を走った清水悠雅先輩に話したら、『お前は自信を持て、お前がダメならもうダメでいいから』と言ってくださったので吹っ切れて頑張ることができました」

「出場した2度の箱根は先輩に支えられた2回。今回は自分が背負う番」。山本は決意を新たにした。

3度目の山上りに挑む山本雷我(4年)。同期の山本龍神は「雷我が5区にいると思うと頼もしい」と話す。信頼は厚い。

そう話す山本も、実は今シーズン順調だったわけではない。故障が続き、全日本大学駅伝関東選考会、箱根駅伝予選会、7大会ぶりの出場となった全日本本戦も出場できなかった。同期の山本龍神とは「2人でチームを引っ張ろう」と話していたものの、自分は走りでは貢献できなかった。不甲斐なさに一人で涙したこともあった。
焦りがなかったと言えば嘘になる。周りには大丈夫だと話しながらも、「復帰を焦るなよ」と言われるたびに焦る気持ちも湧いた。

それでも「背負う」と言えるのは、先輩に助けられてきた分の想いがあるから。今年1年引っ張ってくれた同期がいて、結果を残してくれたチームのメンバーへの想いがあるから。

「今回は自分が背負う番」。先輩への、同期への、チームへの感謝を込めた青と赤の襷を背負い、山本雷我が箱根の山に挑む。

「5区・山本雷我に10番が見える位置でつなげられれば」(小川博之監督)。チーム一丸でシードを目指す。
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