年末にかけて日経平均株価が一段と上昇するとの見方。政策の行方に注目!
12月20日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、年末にかけて日経平均が上昇するのかというニュースについて意見を交わした。
森永氏「来年の政策がどうなっていくのか、非常に重要な一年になる」
日銀は昨日までに開いた金融政策決定会合で、現状の大規模緩和策の維持を決めた。マイナス金利政策の解除への警戒感が後退し、昨日午後の東京市場は円安・株高が進行、円安基調や堅調な国内外の経済を追い風に日経平均株価が一段と上昇するとの見方が出ている。
寺島尚正アナ「そもそも円高・株安の背景は、日銀の植田総裁が今月7日に国会で『年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる』と、発言したことにあると言われています。年末か年明け早々にマイナス金利解除に踏み切るという憶測を呼び、急激な円高・株安が進んだという経緯があります。株式市場では一段と株価が切り上がるという見方が一方で増えています。年末にかけてさらに日経平均が上がるのかどうかですが、昨日はですね、前の日よりも460円41銭値を上げて、33219円39銭で取引きを終えましたけど、これ森永さん、どうなってくるんでしょうね?」
森永康平「日本株自体は、生活実感と合わないとよく言われてしまうんですけど、一応データだけ見るとね、割安に放置されている株っていうのが未だに多いんですよ。いわゆる株価純資産倍率と言われるPBR1倍割れの株はいっぱい日本の株式市場にはあるし、そういう意味では全然まだ上がる理由・要素はあると思うんですよね。ただ、一方で日本の政策……例えば早急に金融を引き締めてしまったりとか、空気を読まずに増税したりとか、あとは予算をどんどん削減、歳出削減をしたりといった誤った政策をやった結果、僕は前から言ってる通り、『デフレ経済に戻っちゃいました』みたいな話になってくると、『日本ってどうなの?』っていう話で、日本市場にあんまり期待しなくなる人たちが増えてくると。ただやっぱり政策……今言った金融も財政もそうですけど、政策の効果って即効性が無いんですよね。増税した瞬間に何百万社も企業が潰れるとか、金利を引き上げた瞬間にですよ、僕らの生活が苦しくなって、例えば路頭に迷う人が増えるとかね、自殺する人が増えてしまうとか。そんなことは無いんです。この性質(たち)の悪さなんですよ。やったからすぐ効果が出るわけじゃなくて、やってからじわじわじわじわと悪い効果が出てきて、数年経ってから『やっぱやらなきゃ良かった』みたいな。でも株式市場ってのは結構早めにそういうのを先取りして動くので、政策効果が出る前にしょうもない政策をやってしまったら『駄目だこれ』と言うことで、再び割安に放置される国になってしまう可能性もあるので、来年の政策がどうなっていくのかっていうのは、株式市場に限らずですが、非常に重要な一年になると思いますね」
寺島「J.P.モルガン証券のストラテジストは『円安に加え、国内の賃金上昇が日本株を押し上げる』と予想していると。賃金上昇は実現するのか? といったところではありますけれどもね」
森永「これはね、植田総裁も気にされてますけど、私自身も来年以降もやっぱり賃金上昇が続くのか。これはひとつポイントだと思いますね」
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