津波研究をリードする有川太郎教授にきく
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお届けしている番組です。
今日11月26日(日)から4回にわたって、海岸工学が専門で国内外の津波の被災状況なども調査している、中央大学・有川太郎教授のインタビューをお送りします。
有川教授の研究室でお話を伺ってきました。
有川先生によりますと、津波は台風などで起こる波と違い、波の周期(長さ)がとても長いので、1回浸水してくると被害がとても大きくなる特徴があるとのこと。
海の近くで揺れを感じたら、すぐに海から離れて高台などに避難することが重要だということです。
また先月伊豆諸島などで津波が観測された時のように、地震の揺れを感じなくても「津波注意報」などの情報が発表されたら、やはりいち早く避難することが大切だと話していました。
わずか20~30cmの津波でも、40~50キロの重さが両足にかかるような状態になり、膝ぐらいになると100キロ~200キロの力となって、大の大人でも流されてしまう可能性があることが、有川先生の研究でわかっています。
海沿いにお住まいの方は、地震が起こって数分から10分以内にきちんと逃げられるよう準備をしておくことが大切だそうです。
「非常持ち出し袋」の準備や、どのルートを通ってどこに逃げるかなども確認しておきましょう。
11月20日には、パプアニューギニアで大規模噴火が発生、この時は日本では津波は観測されませんでした。
しかし去年1月、トンガ沖の海底火山の噴火で、気圧波により日本でも津波が到達しました。
日本からはるか離れた地域での地震や噴火で、津波が発生することもあります。
10月9日には、地震の揺れが観測されない中で、八丈島で最大70センチの津波が発生、西日本にかけての沿岸部でも津波が観測されました。
この津波発生についてのメカニズムはまだはっきりしていませんが、海洋開発研究機構の調査で、伊豆諸島・鳥島近海の海底に、火山の噴火活動によってできたカルデラ状の地形が確認されたということです。
有川先生も海底火山の噴火の可能性があると話していました。
詳しくは「防災アワー」radikoでお聞きください。
きょう11月26日の都心の最高気温は、9.5度と1月中旬並みの寒さでした。
来月12月~2月にかけての3ヵ月予報は「暖冬」で日本海側の雪も少ない予想。
しかし、気象庁の異常気象情報センターの楳田貴郁(うめだ・たかふみ)所長は「一時的に強い寒気が入ってきて、大雪となる可能性もある。油断せず最新の気象情報に注意してほしい」と話していました。
体調を崩さないよう暖かな服装でお過ごしください。
気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子